会社では有給休暇取得目標が設定されている。
年間に〇日取得という形になっていて、その目標日数は休みを取る必要があった。それを取っていないと上司から「すぐに休みの予定をスケジュールに入れろ」とメールが飛んでくる。
そんなこともあったので、11月11日(木)は休みを取ることにしていた。といって特に用事があって取った休みでも無かったので、別段何か予定があるわけでもない。ただせっかくの平日の休みなので少しでも有意義なことに使いたかった。
美術館や博物館で私が興味を惹くような特別展がやっていればそこに行ってみるのもいいかもしれない。休日は混むので美術館などは平日に行くに限る。ただ、いくつかネットで調べてみたのだけどめぼしい展示会はやっていなかった。
そんなとき、ふと、
「東京タワーに行ってみようかな」
と思った。
物心ついたときからずっと関東圏(東京、神奈川)に暮らしてきたのだけど、東京タワーに行った記憶は無かった。小さい頃に行ったことがあるのかもしれないけど、少なくとも私の記憶の中には無い。近場の観光名所は案外行かないものだ。せっかく川崎という東京にも出やすいところに住んでいるので、それをもっと最大限活用するべきだという変な思い込みもあった。
地図を調べると浜松町駅から歩いて行ける位置に東京タワーはあるようだ。しかももう少し足を延ばせば六本木ヒルズも歩いていける距離にある。さらに足を延ばして六本木駅の向こう側に行けば東京ミッドタウンにも行けそうだったけど、そこはやめることにした。
浜松町駅であれば川崎駅から一本で行ける。最近自分に課しているウォーキングの習慣を兼ねる形でその浜松町駅からすべて徒歩で回ろうと考えていた。
浜松町駅
少し早めの昼食をとって、12時前には家を出た。
乗っていた電車の車両の関係から、浜松町駅に着いたらすぐ近くにあった南口出口に出る。事前に地図は見ていたので、「東京タワーに向かうにはだいたいこの方角だろう」とざっくりとした目算をつけてそのまま街に入っていった。少し歩くと東京タワーの先端が見えてきたので、その東京タワーの遠景がそのまま目的地を私に教えてくれる目印になってくれた。
【浜松町】
ちょうど昼時ということもあって、昼食を求めて多くのスーツ姿やワイシャツ姿の人たちがたくさん街を徘徊していて、その人たちの間を縫うようにして私も歩く。私はラフなパーカー姿だったのでひどく浮いていただろう。
しばらく歩くと大きな門が見えてきた。
門のすぐ前に案内板が出ていて「 増上寺」の文字があった。事前に地図を見ている中で東京タワーの近くに「増上寺」なる寺があるということは知っていたので、ここがその増上寺かと思いつつ中に入っていった。
【増上寺大門】
東京タワー
増上寺のすぐ裏に東京タワーがそびえていたので、そのまま寺の境内を突っ切って進むことにした。
【増上寺】
境内を出て少し歩いたところで東京タワーに到着した。
タワーの前はちょっとした広場になっていて、そこのベンチに観光客らしき外国人が数人座っている。
別に東京タワーの展望台にまで上がろうという考えは持っていなかったのでそのまま通り過ぎようとしたのだけど、せっかくなので中のロビーくらいには入ろうと思い中に入る。ただ、そこを軽く一周して見て回っただけですぐに外に出てきた。
【東京タワー】
六本木ヒルズ
浜松町を歩いてみて気づいたのは、ある程度大きな交差点には必ずと言っていいほど地図が併設されていることだった。
いざとなればスマホでGoogleマップを開けばいいか、と思っていた私も、その交差点ごとに設置されている地図を見て自分がどこら辺に居るかをしっかりと把握することが出来たし、また目的地(六本木ヒルズ)に向かうにはどの方向に進めばいいのかも知ることが出来た。
六本木駅近くの街はごみごみしていて、それこそ「雑然とした東京」という雰囲気そのものだったのだけど、さすがに六本木ヒルズの近くになると道もきれいに整備されている。六本木ヒルズに隣接しているテレビ朝日裏にあるけやき坂は、街路樹もきれいで、非常に歩きやすい街路となっていた。
【けやき坂】
これが噂の六本木ヒルズか、と思いつつ敷地の中に入っていく。
中央のビルがオフィス棟となっていて、その周りにいくつかの商業施設が取り囲んでいるような作りになっている。その商業施設の一つに森美術館もあった。ただ、その商業施設自体は特に私の気を惹くようなものも無く、その店の前を素通りして雰囲気だけを味うだけで終わった。まあ、それでも六本木ヒルズの場所も雰囲気も知ることが出来たし、そもそもそれが目的だったのでそれで十分だった。一通り巡るとそのまま六本木ヒルズを後にした。
【六本木ヒルズ】
結局、浜松町駅から東京タワーを経由して六本木ヒルズまで歩くのに、片道3.5km。当然歩いて戻って来たので往復で考えると約7km。
長距離歩くのにもある程度慣れてきたので、特に疲れたということも無かった。