健康保険は病気や怪我の際に必要となるものであり、重要な制度となっている。
健康保険に関して、2025年9月26日の日経新聞に次のような記事が載っていた。
2025/09/26 日本経済新聞
高齢者の医療費への「仕送り」が現役世代の手取りを圧迫している。企業の健康保険組合が負担する拠出金は2024年度に過去最高の3兆8591億円に達した。前年度から2065億円増えた。こうした支出をまかなう保険料は給料の一定割合を天引きして集める。保険料率は上がり続けており、家計の可処分所得の伸びを抑える大きな要因となっている。
概要
- 25年度に後期高齢者医療制度への支援金は現役世代1人あたり13万7146円と、制度が始まった08年度の約2倍に膨らむ見通しだ。
- この間、賃金水準を示す「標準報酬月額」の平均は1割しか伸びず40万5470円にとどまる。
- 高齢者への仕送りは今後も拡大する。
- 保険料が高くなる分、手取りの伸びは鈍る。
- 保険料は企業も負担しており、賃上げの余力自体も狭まる。
- 社会保障制度の持続性の観点からも、医療費水準の見直しや所得のある高齢者らの負担の拡大といった改革は避けて通れない。健保連合会は、同じ成分をもつ市販薬がある薬の保険適用除外なども提起している。
- 改革のハードルは高い。保険適用の縮小は患者団体などが強く反発する。日本医師会や病院団体などは、インフレを踏まえて診療報酬の大幅な引き上げを求めている。診療報酬が増えるほど健保側の支払いも増え、現役世代の負担は膨らむ。
病気や怪我で病院にかかり健康保険を使用して医療費を支払った場合、基本的に自己負担割合は3割となっている。
自己負担以外の費用は、保険加入者が毎月支払っている保険料で賄われる。
しかしそれではすべてを賄うことができず、多額の税金も投入されている。
年齢別医療費
年齢別の医療費について、厚生労働省が作成している資料を見ると次のようになっている。
年齢階級別国民医療費
- 0 ~ 14 歳: 26,359億円(5.6%)
- 15 ~ 44 歳: 57,317億円(12.3%)
- 45 ~ 64 歳: 102,140億円(21.9%)
- 65歳以上: 281,151億円(60.2%)
年齢階級別1人当たり医療費

https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r04.pdf
65歳以上の医療費は約28兆円となっており、全体の60.2%を占めている。
また、年齢別の一人当たりの医療費については、やはり年齢を重ねた65歳を超えたあたりから急激に跳ね上がる。
健康保険:負担割合
健康保険加入者の医療費の負担割合は、年齢によって変わってくる。
6歳以上70歳未満までは3割負担となるが、70歳以上75歳未満は2割負担、75歳以上は1割負担となる。ただし、現役並み所得者(年収約370万円以上)は3割負担のままとなる。
高齢になると一人当たりの医療費が高額になるということもあり、本人負担を軽減させるため自己負担割合は逆に1~2割負担と低く抑えられる。
その結果、その分の医療費を補填するために多額の資金が必要となる。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info02d-37.pdf
健康保険:制度改正
後期高齢者(75歳以上)の負担割合に関して、令和4年10月に一部制度改正が入っている。
一定以上所得のある被保険者は1割負担から2割負担に上げられた。
その対象者は被保険者全体の約20%に当たるという。


後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について) | 厚生労働省|厚生労働省
高齢者医療への「仕送り」
新聞記事によると、75歳以上の医療費(20兆円)を賄うための資金の内訳は次のようになっているらしい。
- 国と地方の公債: 8.7兆円(43.5%)
- 現役世代らの保険料: 7.4兆円(37.0%)
- 高齢者の保険料: 1.7兆円(8.5%)
- 患者負担: 1.6兆円(8.0%)
- その他: 0.6兆円(3.0%)

医療費の約44%は税金で賄われており、また約37%は、現役世代からの保険料で賄われている。
支援金という形で現役世代の保険料から多額の資金が流用されている。
結果として保険料率は上昇を続け、現役世代の収入は目減りしていくことになる。
