B社一次選考会
B社一次選考会は2018年6月19日に行われた。
その日は火曜日で平日だったので、当然その時勤めていた会社は休む必要がある。A社の人事面接の際に有休を取得しており、日を置いて有休を頻繁にとってしまうと何か変に勘繰られてしまうように思ったので、その日は「体調不良」を使って休むことにした。
それまで有休は大量に残していたし、実際に体調不良で休むこともほとんど無かったので、一日くらい仮病を使ってもばちは当たらないだろうと勝手に自分に言い聞かせた。
その次の選考に進める自信は全く無かったので、この一日だけで終わるだろうと勝手に予想していたのもある。
集合時間は9時45分。
集合場所はB社の本社がある事業所だった。
その事業所に向かう中で、一つの事件が発生する。
事件
その集合場所となる某事業所の最寄り駅はB社HPを見て頭に入れていた。
だけど、その最寄り駅と似た名前の駅があるということをその時の私はあまり意識していなかった。そしてその名前が似た駅が目的地なのだと思い込んでいたのだ。
思い込みとは不思議なもので、一度そう思い込んでしまうと自分が間違っているという可能性に意識がいかなくなる。前日もその間違った駅に対して乗換案内を調べて家を出る時間を決めていた。ただ、途中で何があるか分からないので1時間程度の余裕は見ていた。
自分が間違っていると気づいたのは、その途中の電車の中だった。
何気なく、プリントアウトしておいた某事業所の地図をカバンから取り出した。最寄駅からその某事業所までの道順も自分の頭の中に叩き込んでおこうと思ったからだった。そのとき、そのプリントアウトされた紙に書かれた駅名と、自分が勝手に最寄り駅だと思い込んでいた駅名が違うという事実に気づいた。
その時のことは今でもよく覚えている。
一瞬、何が起きたのか分からなかった。ちょっとしたパニックになっていた。
「やばい・・・。間に合わないかもしれない」
最悪、遅刻で一次選考会を辞退することも頭のどこかでは考え始めていた。
運よく(?)、その間違って記憶した駅と、本来の最寄り駅は同じ市内にある駅だった。
結局、一次選考会に対しては30分ほど余裕を持って最寄り駅に到着することが出来た。
一時間の余裕を持って家を出たことも確かに大きかったのだけど、駅を間違えるという致命的なミスにもかかわらずその本来の駅にたどり着けたことに、不思議な運命を感じた。
神様がこの道を進めと言ってくれているのかもしれない。
そんな自分勝手な妄想を抱きつつ、その最寄り駅を出て某事業所に向かった。