知識蓄積ノート【投資・FIRE】

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【FIRE】健康保険の現状(4) 予測される未来②

 

健康保険の現状の続き

 

higeyarou79.hatenablog.com

 

 

 

給付を抑える

社会保障給付費(医療)を抑えるための案として、次のような案も出ている。

 

 

OTC類似薬の保険適用除外

医薬品には医師の処方箋に基づき調剤薬局で購入する医療用医薬品(保険収載品)と、一般薬局で自由に購入できるOTC医薬品がある。

OTCとは、「Over The Counter」の略で、処方箋なしで薬局やドラッグストアのカウンター越しに購入できる市販薬のことである。

 

OTC類似薬とは、類似の効果を持つ市販薬があるのにも関わらず保険適用されている医薬品だ。

胃腸・整腸・便秘薬、抗アレルギー薬、保湿剤、湿布薬、点眼薬、解熱鎮痛薬、滋養強壮剤、ビタミン剤などが挙げられる。

 

「薬局で買うより安いから」と患者に処方を求められるケースも多いという。

 

 

 

風邪薬・湿布などの保険適用、医師6割「除外に賛成」

本社・日経メディカル調査 薬目的の受診懸念

2025/07/30  日本経済新聞

市販薬と成分や効果が似ている「OTC類似薬」について、医師の62%が保険適用からの除外に賛成していることが分かった。受診して処方箋をもらえば患者の負担は1~3割で済むが、公費や保険料の支出が増える。風邪薬や湿布薬などの入手を目的とした通院が医療費の重荷になっているとの懸念が強い。

 

風邪薬・湿布などの保険適用、医師6割「除外に賛成」 本社・日経メディカル調査 薬目的の受診懸念 - 日本経済新聞

 

 

 

 

現在でも適用除外可能な医療用医薬品は、少なくとも約1兆2千億円に上るらしい。

 

このOTC類似薬の保険適用除外が、社会保障給付費圧縮のための案として挙がっている。日本維新の会が主張している「社会保障改革」はこれが該当する。

 

 

OTC類似薬の保険適用除外(上) 皆保険の持続可能性を向上

印南一路・慶応義塾大学名誉教授(経済教室)
2025/09/01  日本経済新聞

 

2024年10月の衆議院選挙で与党が少数派に転落し、野党が主張する社会保険料引き下げの手段として、市販薬と成分や効果が似ている「OTC類似薬」の保険適用除外が浮上した。25年6月に政府が決定した骨太の方針にも「早期に実現が可能なものについて、2026年度から実行する」と明記された。

 

OTC類似薬の保険適用除外(上) 皆保険の持続可能性を向上 印南一路・慶応義塾大学名誉教授 - 日本経済新聞

 

 

 

医療扶助

生活保護受給者国民健康保険制度や後期高齢者医療制度が適用除外となるが、その代わり、医療扶助として、原則、医療費がすべて支給される。

 

 

 

医療扶助は生活保護費全体の約50%を占め、年間1.8兆円もの公費(税金)が費やされている。

 

 

生活保護費負担実績額(2015年度)

 

生活保護受給者には医療が無償提供されるの? |ニッセイ基礎研究所




 

生活保護受給者1人当たりの医療費(年間約79万円)は、一般国民(約30万円)と比較して2.6倍超も高いという。

 

もともと生活保護は病気や高齢などで働くことができない人も対象にしているため、医療費が高くなるのは当然といえるが、人間の心理として「無料」ならば少し調子が悪いだけでも「病院に行こう」と思うのが自然である。

 

ある薬局関係者は、「軽い風邪のときは、市販の風邪薬を飲む人が多いと思いますが、生活保護の人は薬局で市販薬を買うと自腹(生活扶助費から支出)ですが、病院に行けばタダ(医療扶助)で風邪薬をもらえるんですよ」と語る。

 

president.jp

 

 

 

 

医療費削減のため、医療扶助に自己負担を導入することなども提言されてきているが、反発もあり進んでいない。

 

 

生活保護見直し 「医療」自己負担を財務省提言

2012年10月22日

来年度の予算編成に向けて生活保護の見直しを巡る攻防が激しくなってきた。社会保障関係費の効率化を最優先の課題とする財務省生活保護費(3.7兆円)の約半分を占める医療扶助に自己負担の導入を提言した。価格が安い後発医薬品の使用を受給者に義務付けることも求めた。ただ日本医師会などの反発は必至で、年末をヤマ場とする調整は難航しそうだ。

www.nikkei.com

 

 

生活保護者の過剰受診、マイナで捕捉 厚労省がシステム改修補助

2025年9月24日

厚生労働省生活保護受給者の過剰受診を防ぐため、マイナンバーカードの活用を進める。生活保護の実務を担う自治体の福祉事務所が受給者の受診状況を早期に把握できるようにする。必要以上に通院している場合は本人を指導する。医療機関にシステム改修の費用を補助する。

www.nikkei.com

 

 

 

予測される未来

膨張する一方の社会保障給付費(年金、医療、介護等)を賄うため、次の3つの流れが同時並行で進んでいくと思われる。

 

  • 保険料を上げる
  • 負担割合を引き上げる
  • 給付を抑える

 

 

 

ただし、それぞれの方法に対して反発も大きく、今のポピュリズム政治に抜本的な改革が進められるとも思えない。そもそもとして少子高齢化が進んで行くこの国において、「抜本的な改革」というものが存在するのかすら怪しい。

 

おそらく、少しずつ保険料を上げ、少しずつ負担割合を引き上げ、少しずつ給付を抑えるという形で健康保険という制度の延命が図られるのだろう。

しかし、結局、膨張する社会保障給付費(年金、医療、介護等)を賄うため巨額の公費(税金、国債)が投入され続けるという結果にしかならない気もする。

 

 

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