健康保険の現状の続き
社会保障給付費:推移
医療に関する社会保障給付費の推移はどうなっているのか。
ちなみに社会保障給付費とは、社会保障に関連して保険料や税金から被保険者に給付されるお金である。
社会保障給付費の推移について、財務省が作成している資料を見ると次のようになっている。
社会保障給付費の推移

社会保障給付費(年金、医療、福祉その他)は1970年代から年々上昇を続け、2024年は137.8兆円に達する。
2024年の社会保障給付費の内訳は次のようになっている。
- 年金:61.7兆円
- 医療:42.8兆円
- 介護・福祉その他:33.4兆円
年金が一番多いが、医療も全体の31%を占めている。
社会保障給付費:将来見通し
社会保障給付費の将来的な見通しは次のようになっている。
社会保障給付費の見通し

- 2018年度:121.3兆円
- 2025年度:140.4~140.8兆円
- 2040年度:188.5~190.3兆円
社会保障給付費はさらに大きく膨れ上がることが予測されている。
社会保障給付費の大部分を「介護」「医療」「年金」が占めており、今後の少子高齢化の流れを考えるとその三つが大きく膨れ上がることは想像に難くない。
社会保障給付費:財源
では、その137兆円もの社会保障給付費をどのようにして賄っているのか。
2024年の財源の内訳は次のようになっている。
- 保険料:80.3兆円
- 公費:54.7兆円
- 国庫負担:37.7兆円
- 地方税等負担:17.0兆円
社会保障における受益(給付)と財政の関係

基本的には被保険者が支払った保険料と公費で賄われる。
公費が給付費に占める割合は年々上昇しており、1990年は25%だったが、2022年は42%まで跳ね上がっている。
2024年度の国庫負担分は37.7兆円となっており、それは税金と国債発行によって賄われている。その結果、社会保障費(37.7兆円)は国家歳出の3分の1以上を占めるまでに膨らんでいる。
現状でも歳出の3分の1を占めている中、今後その社会保障費が大きく膨張していった場合、国家財政を更に圧迫していくことが予測される。
平成2年度と令和6年度における国の一般会計歳入・歳出の比較

このような状況を見ると、社会保障(健康保険)に関して、将来にわたって持続可能なシステムになっているようにはとても見えない。
社会保障と税の一体改革については前政権でも検討がなされていたようだが、首相交代もあって完全に頓挫してしまっている。
首相退陣表明、超党派協議仕切り直し 給付と負担の議論急務
2025/09/09 日本経済新聞
石破茂首相が7日に退陣を表明したことで、社会保障改革は仕切り直しとなる。給付と負担のバランスの見直しに向けて首相が唱えた超党派による協議体の構想は宙に浮く。高齢化で費用が膨らむ医療や介護をいかに持続可能な制度にするか。次の政権も逃げられない課題だ。
