株価チャート
2025年年初に8ドル付近まで売られた後は、9~10ドルのレンジでもみ合っているような状況が続いている。2025年4月に一度大きく下落しているのは、トランプ関税ショックの影響だと考えられる。
週足で見ると、2021年6月の23ドルを天井にして、上下変動を繰り返しながら大きな流れとして下降トレンドを継続している。
日足チャート

週足チャート

会社概要
ヴァーレ (CVRD, Companhia Vale do Rio Doce S.A.、NYSE: VALE) は、ブラジルの総合資源開発企業である。本社は、リオデジャネイロに所在している。ブラジルを代表する民間企業。かつてはリオドセと呼ばれていた。
主力商品は鉄鉱石であり、鉄鉱石の生産・販売のシェアは35%で世界一である。ヴァーレとリオ・ティントとBHPグループの鉄鉱石3大メジャーで、世界の鉄鉱石輸出の約80%を占める。鉄鉱石を除いて採掘しているものは、ニッケル(世界第2位)、ボーキサイト、銅、金、マンガン、炭酸カリウムなどである。
年表
- 1942年6月:リオドセ設立。戦争中のアメリカ、イギリスに鉄鉱石を供給する国営企業だった。
- 1997年5月:ブラジル国内のナショナル製鉄 (CSN, Companhia Siderúgica Nacional) などの企業連合体が普通株の41.7%を取得し民営化
- 2002年3月:普通株の国家保有分をすべて売却
- 2006年10月:カナダの鉱業大手、インコ社を180億ドルで買収
- 2007年11月:対外的な呼称を「ヴァーレ」に改めると発表した。
鉄鉱石生産量(2021年度)
- オーストラリア:約5億6000万トン
- ブラジル:約2億7200万トン
- 中国:約2億4600万トン
- インド: 約1億6900万トン
- ロシア:約6670万トン
- ウクライナ:約5240万トン
- イラン: 約4790万トン
- 南アフリカ共和国:約4659万トン
- カナダ:約3450万トン
- 米国:約3010万トン
売上高、営業利益


2024年12月期
- 売上高:2,060億レアル
- 営業利益:554億レアル
- 営業利益率:26.8%
2021年12月期から利益水準は徐々に下がっている。
ただし2021年12月期の営業利益率は48.1%と異様に高いため、そこから落ち着いてきているという見方もできる。
2025年7月10日時点で1レアルは26.23円となっているので、売上高、営業利益を日本円に換算すると、売上高は約5.4兆円、営業利益は約1.4兆円という規模になる。
配当

- 配当金:0.83ドル
- 株価(7/10):9.86ドル
- 一株利益:1.2912ドル
- 配当利回り:8.4%
- 配当性向:64.2%
配当利回りは8.4%と非常に高い。
配当性向は64%とやや高めだが、この水準であれば許容範囲内か。
配当金 推移

配当利回り 推移

2021年に1.5ドルと大きく配当金が上がっているが、それ以外の時期に関しては0.4ドル前後の配当金を安定して供出している。
バランスシート



- 自己資本比率:41.66%
- 有利子負債比率:19.3%
自己資本比率は41%と十分高い水準を維持しており、また有利子負債比率も約20%と低い。
財務構造としては特に問題はなさそう。
キャッシュフロー

24年12月期
- 営業CF:501億レアル
- 投資CF:-307億レアル
- 財務CF:-114億レアル
巨額の営業CFを稼いでおり、それによって投資を賄っている。
フリーキャッシュフローとしては約200億レアル(約5,200億円)のプラスとなっている。
関連記事
2025年7月10日
ロイター
トランプ米大統領は9日、ブラジルのルラ大統領に宛てた書簡で、8月1日からブラジルからの輸入品に対し50%の関税を課すと表明した。
また、ブラジルで公判中のボルソナロ前大統領に対する支持を改めて示し、書簡の中で、ボルソナロ氏に対するブラジルの扱いと関税を関連付けた。
書簡は「ブラジルによる自由選挙と米国人の基本的言論の自由の権利に対する陰湿な攻撃」が関税を課す一因だとしている。
米国はブラジルにとり中国に次ぐ第2位の貿易相手国。関税は4月に発表された10%から大幅に引き上げられる。
まとめ
2021年の段階から利益率、配当利回りは下がってきているが、それでも現状でも巨額の利益を上げ、配当利回りも約8%と非常に高い。
主力としている鉄鉱石に関して、現状ではトランプ関税(鉄鋼50%)の影響はそれほど出ていないようだが、今後の成長性については不透明感が残る。
また、米国がブラジルに対して50%の関税をかけることを発表している。
これに関しては今後どのような結末を迎えるかは全く見えないが、本当に50%の関税がかけられてしまった場合、ヴァーレに対しても大きな影響が出ると考えられる。
この点においても今後の業績について大きな懸念があり、今の段階で投資候補としてヴァーレを加えるのは難しいか。