株価チャート
10/26の決算発表を受けて窓を開けて大幅下落。そこからやや反発しているがそれでも反発幅は小さい。
22年11月から一直線で上がってきたが、ここである程度調整が入る可能性が高そう。
日足チャート
週足チャート
24年3月期 第2四半期決算
決算発表日:2023年10月26日
売上高、営業利益
- 売上収益:6.4%増
- 売上利益:53.2%減
- 営業益率:5.6%
増収減益。
減益幅が50%強と非常に大きい。これで前年同時期比で2年連続減益。
営業利益率も製薬事業にしては5.6%と高くない。
この減益は何が原因なのか。
売上収益
- 前年同期:19,748億円
- 当期:21,017億円
売上原価
- 前年同期:5,983億円
- 当期:6,647億円
売上収益は伸ばしているのだが、コスト(売上原価、販管費、研究開発費)が大きく上がってしまっている。
それに、金融費用が前年比で500億円も多く発生。
今回の大幅な減益は、それらが原因か。
企業側はコストUPの主要要因は「 円安」としている。
配当
- 配当金:188円
- 株価(11/3):4,150円
- 一株利益:59.45円
- Core EPS:447円
- 配当利回り:4.5%
- 配当性向:316%
- 配当性向:42%(Core EPS)
配当利回りは 4.5%と悪くない。
ただし、減益影響を受けてか配当性向が 300%強と非常に高くなってしまう。
今回の減益理由が一時的なものでないのだとしたら、将来的な減配もありえる。
キャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
- 前年同期:1,219億円
- 当期:3,271億円
投資活動によるキャッシュ流出が前年から2,000億円も増加。
借入返済に使っているのだろうけど、それによって保有現金も大幅低下。
連結業績予想
- 売上収益:+3.6%
- 営業利益:-35.5%
- 税引前当期利益:-62.2%
通期業績予想を下方修正。
無形資産減損損失を計上しているとのこと。
バランスシート
非流動負債:社債及び借入金
- 前年度:40,427億円
- 当第2四半期:44,043億円
社債及び借入金(非流動負債)が3,600億円も上昇。
借入返済を進めているはずなのになぜ。
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2023/10/27 日本経済新聞
武田薬品工業は26日、2024年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比54%減の2250億円になる見通しだと発表した。従来予想から1240億円下方修正する。開発を進めていた肛門の病気の治療薬「アロフィセル」と肺がん治療薬「エクスキビティ」がいずれも臨床試験(治験)で想定した結果が得られず、減損損失を計上した。
2023/10/19 日本経済新聞
武田薬品工業は18日、アイルランド歳入庁と買収したアイルランドの製薬大手に関連する税務紛争で和解したと発表した。2023年10〜12月期に和解金1億3000万ユーロ(約200億円)を同庁に支払う。23年7〜9月期に連結純利益(国際会計基準)を約630億円押し上げる要因になるという。
まとめ
本決算では大幅な減益という結果。
併せて通期予想も下方修正。
「無益資産減損損失」が主な理由ということなので、一時的な損失という捉え方もできる。ただ、それにしてもここにきての急激な利益構造の悪化は気になる。少なくとも無条件で株を買い進められるような決算結果とはなっていない。
とりあえず保有継続だけど、要注意銘柄とする。
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