株価チャート
21年12月の3,000円を底にして上昇トレンド形成中。
ただし、5/11の決算発表後に一度窓を開けて下落。その後3,600~3,700円でもみ合うような形。
上昇していくにしてもさすがに3,800~4,000円くらいが天井になってそこで一度もみ合う形になりそう。
日足チャート
週足チャート
22年3月期 通期決算
売上高、営業利益
- 売上収益:11.6%増
- 営業利益:9.5%減
- 営業利益率:12.8%
まだ高い営業利益率は維持しているけど、増収減益の流れはあまりよくない。単純に利益率が下がっていく。
損益計算書
その他の営業収益
- 前年度(2020年度):3,180億円
- 本年度(2021年度):431億円
前年度は3,180億円の「 その他の営業収益」が計上されていたけど、当年度はそれが431億円まで減っている。
当年度の減益理由はそこが大きそう。
前年度は子会社株売却や非中核資産の譲渡によって臨時収益が発生していたとのこと。本年度の減益について、本業の不振による減益でなければ許容範囲内かな。
配当
- 配当:180円
- 株価(5/21):3,729
- 一株利益:188.13円
- 配当利回り:4.8%
- 配当性向:95%
配当利回りは5%近くあるのだけど、配当性向が100%近いところまで上がっているのが気になる。
とりあえず100%を超えていないので資産を切り崩して配当原資を確保しているという訳ではないのだろうけど、ただし将来的な減配リスクはある。
バランスシート(負債)
社債及び借入金
- 前年度(2020年度):46,132億円
- 本年度(2021年度):41.414億円
非流動負債(固定負債)の社債及び借入金は前年度から 5,000億円圧縮。
シャイアー買収に伴う有利子負債増は順調に圧縮が進んでいる。
連結キャッシュ・フローの状況
1兆円の営業キャッシュフローを確保しているけど、そこから1兆円を財務キャッシュフロー(借金返済等)に充てている。
製薬事業から巨額のキャッシュフローが確保できているからこそできるやり方。
まずは負債圧縮を優先しているのだろう。その考え方は分かる。
キャッシュフロー計算書(財務活動)
社債の償還及び長期借入金の返済による支出
- 前年度(2020年度):16,517億円
- 本年度(2021年度):8,101億円
社債の償還及び長期借入金の返済で8000億円のキャッシュが流出。
ただし前年度は1.6兆円も流出していたので、一応返済額は半減している。逆に言うと前年度はそれくらい多額の返済をしていたということ。
配当金の支払い額は2,800億円。
さすが配当性向95%だけあって、かなりの巨額な資金を配当金として拠出している。
負債の満期償還プロファイル
毎年数千億レベルの固定金利負債の返済期限がやっていくる。
色々と前倒しの返済を進めているようだけど、このグラフを見ると2079年まで約50年間をかけて4兆円の負債を返済していこうとしているということ?
22年度の業績予想
- 売上収益:3.4%増
- 営業利益:12.8%増
- 税引前純利益:35.8%増
一応会社の予想としては 増収増益 。しかも利益(営業利益、純利益)に関しては10~30%の大幅な上昇を予想。
絵に描いた餅にならなければいいけど。。
武田、営業益13%増、今期、大腸炎治療薬伸びる
2022/05/12 日本経済新聞
武田薬品工業は11日、2023年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比13%増の5200億円になる見通しだと発表した。 2期ぶりに過去最高益を更新する。主力の潰瘍性大腸炎治療薬の販売が好調なほか、新製品として投入するがん治療薬や希少疾患向けの販売が伸びる。
まとめ
4兆円の有利子負債は気になるけど、それでもまだまだ利益財務構造的には問題無さそう。
製薬はパイプライン(製品候補)の弾の有無が大きくものをいう業界。だけどそこに関しては私は門外漢なので正直よくわからない。