株価チャート
22年1月の15,000円を天井にして、それ以降は下落トレンド。
22年8月に入ってからはさらに調整の速度を上げて10,000円を割ってしまっている。
週足で見ると、コロナ禍で20年3月に6,000円まで売られていたが、それ以降は大きく上昇。ただ、10,000の大台を割ってしまっているので、どこまで調整が入るのかは不透明になっている。
日足チャート
週足チャート
23年3月期 第1四半期決算
決算発表日:2022年7月29日
売上高、営業利益
- 売上高:2.4%増
- 営業利益:9.6%増
- 営業利益率:13.2%
増収増益。
増益幅の方が大きいのは高評価。
利益率は13%となっており、メーカーとしては優秀。ただこの会社は「メーカー」というカテゴリーにはもはや当てはまらないかもしれないけど。。
配当
- 配当金:70円(予測)
- 株価(10/17):9,586円
- 一株利益:671.1円
- 配当利回り:0.7%
- 配当性向:10.4%
配当利回りは非常に低い。
配当性向も10%と低めなので配当原資的にはもっと配当は出せるようにも見えるけど、配当ではなく事業投資に資金を充てるという企業戦略なのだろう。
当然配当戦略としては候補銘柄には入ってこないかな。
バランスシート
現金及び現金同等物
- 2021年度末:20,496億円
- 2022年度 第1四半期 連結会計期間末:13,718億円
保有現金が6,700億円も減少している。
何に資金を使っているのか。
総資産約30兆円に対して、金融分野における投資及び貸し付けで18兆円を占めている。
やはり金融系子会社のためにグループとしての資産が大きく膨らんでいる。
- 短期借入金:19,177億円
- 長期借入金:11,980億円
圧倒的な収益力に対して自信があるのだろう、この会社も短期借入金が長期借入金を大きく超過してしまっている。
セグメント
営業利益
ここの会社は、ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、金融の全分野でコンスタントに高い利益を挙げられているのが大きな特徴。
出井元CEOの戦略がここになって大きく実を結んでいるということなのか。
2022年度 連結業績見直し
- 売上高:115,00億円(+1,000億円)
- 営業利益:11,100億円(-500億円)
売上高については上方修正。
ただし利益については下方修正しているので、当然利益率は下がる。
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29日、2023年3月期の業績予想を下方修正し、連結営業利益は前期比8%減の1兆1100億円と従来予想を500億円引き下げた。ゲームは新型コロナウイルス下の巣ごもり消費で伸ばしてきたが、経済再開を受けソフト販売が想定を下回る。半導体や家電でも景気減速による需要鈍化懸念がでてきている。
まとめ
利益構造はさすがに優秀。どこか突出して強いという訳ではなく、映画、音楽、エレクトロニクス、金融とすべての分野でコンスタントに大きな利益を挙げられているのが特徴。ただ、財務構造はやや心もとない気もする。今の利益水準が継続できれば全然問題ないのだろうけど、ただし一度逆方向の回転がかかってしまうとどうなってしまうのか。
配当利回りも非常に低い。
これはおそらく企業戦略に基づくもの。
私の候補とする銘柄(高配当、優秀な利益財務構造)の中には入ってこないかな。