株価チャート
24年3月の2,200円を天井にして下降トレンドを形成。
週足で見ても、23年に入って大きく株価は上昇しているが、24年頭よりじりじり売られている状況が続いている。
日足チャート
週足チャート
25年3月期 第2四半期決算
決算発表日:2024年11月7日
売上高、営業利益
- 売上高:△0.4%
- 営業利益:△15.7%
- 親会社株主に帰属する中間純利益:△29.6%
- 営業利益率:6.1%
減収減益。
減益幅は営業利益で約15%、純利益で約30%。その前年が大幅な増益になっている反動なのか、今期は大幅な減益となっている。
配当
- 配当金:90円
- 株価(12/26):1,542.5円
- 一株利益:304.03円
- 配当利回り:5.8%
- 配当性向:29.6%
配当利回りは5.8%と非常に高い。
その割に、配当性向は約30%とそれほど高くはないので、配当拠出を無理しているという状況でもなさそう。
2019年度に一度無配に転落しているが、その後は順調に配当額を増額してきている。
2024~2026年度は「配当性向30%程度」を中期経営計画で謳っている。
つまり、累進的配当戦略をとっているわけではなく、今後の配当は今後の利益水準次第で変わってくるということ。
25年3月期 通期業績予想
営業利益
- 通期業績予想:1,400億円
- 第2四半期実績:777億円
- 進捗率:55.5%
営業利益に関して、通期の業績予想は前年度比で25%減を見込んでいる。
第2四半期時点の進捗率が55%と目安の50%を超えている。
ただし、純利益に関して通期では9.5%増を見込んでいるのにもかかわらず、第2四半期では逆に30%減となってしまっている。
本決算発表時に、通期業績予想について売上、利益ともに下方修正。
ただし純利益については、「下期で土地の譲渡売益等を見込む」との理由で予想は変えていない。
損益計算書
売上総利益は前年度から76億円減少。かつ販管費は前年度から67億円増加。
結果として、営業利益が143億円減ってしまっている。
セグメント
売上高
- 鉄鋼アルミ:5,604億円
- 素形材:1,529億円
- 溶接:468億円
- 機械:1,200億円
- エンジニアリング:653億円
- 建設機械:1,975億円
- 電力:1,336億円
鉄鋼アルミの売り上げが一番大きく、全体の43%を占める。
しかし鉄鋼アルミの利益率は2.5%と低く、他のセグメントの利益で何とか補っている。
関連記事
2024/11/08 日本経済新聞
神戸製鋼所は7日、2025年3月期の連結営業利益が前期比25%減の1400億円になる見通しだと発表した。従来予想から250億円下方修正した。国内の品質認証問題や中国や東南アジアでの日系メーカーの苦戦により、自動車分野を中心に鉄鋼やアルミ板の販売が減少する。建設機械で価格転嫁が想定より進まないことも響く。
25年3月期の売上高は2%増の2兆6000億円、純利益は10%増の1200億円を見込む。売上高は従来予想を600億円下方修正し、純利益は据え置いた。通期の全社の増収はエネルギーや化学向けの機械などの増加が理由で、海外の自動車向け鉄鋼の需要は前期を下回ると予測する。
まとめ
第2四半期決算結果は減収減益。減益幅は二桁台と大幅な減益となっている。
自動車分野を中心に事業環境悪化の影響を受けたとのこと。
日本製鉄、JFEと国内の製鉄会社が合併して大型化していく中で、神戸製鋼所がどこまで戦えるのか。
利益率6%と装置産業である製鉄会社にしては高めだが、日本製鉄の利益率は10%を超えている。
神戸製鋼所の大株主に日本製鉄が入っており(2.7%の株式を保有)、将来的には日本製鉄と一緒になるという可能性もあるのかもしれない。
配当利回りは5.8%と非常に高い。
配当性向については中期経営計画で30%程度と謳っており、今後の利益水準が今後の配当水準を決めることになる。
本決算発表後も株価下落が止まっておらず、投資家はそれほど楽観的にはなっていないものと見える。
現状の配当利回りからすると投資候補には加えてもいいと考えるが、買うにしてもリスクを抑えるために保有株数を抑えることになりそう。