知識蓄積ノート

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④セミリタイアについての基本的な考え方:三菱航空機の会社説明会

転職活動:三菱航空機

 
断続的に転職活動は続けていた。
 
転職サイトに登録して、気になった求人があったら目を通すようなそんな日々を過ごしていた。その中で一件、私の目に留まった求人があった。
 
 
三菱重工が国産ジェット機製作に乗り出していて、そのための子会社を作っていた。その当時はまだ開発は続いていて、ただしちょうど開発の遅れが出始めていた時期だったと思う。おそらくその開発人員を確保するための募集だったのだろう。
 
 
 
新卒で入った会社は、入社して新人研修を受ける中で初めてその会社で作っている製品の詳細を知るというような状態だったから、製品を作るということ自体は志望していたとしても、その製品が私が本当に作りたいと思える製品かと聞かれると私自身疑問に感じているような状態だった。設計という仕事はアスペルガーの私にとって99%は苦しみだった。そしてその事実は、私の人格が変わりでもしない限り変わらない。それなら、 設計という仕事を続けるということは、その苦しみの中で生きるということでもあった。
 
製品を作るという仕事は苦しみだることは本質的には変えられない。
もしそれが事実だとしたら、「どうせ苦しむのなら、私が作りたいと思えるような製品を作ることで苦しみたい」そんな考えを心のどこかでは持っていた。
 
 
 
三菱重工が国産ジェット機製作に乗り出しているということはそれ以前から話題になっていて、私も一つのニュースとしては知っていた。だから、その求人の募集を見たときにそのページに私の眼はとまった。
 
もし国産ジェット機を作るという仕事であれば、私はその仕事に意義を感じることが出来るのだろうか。
 
そんなかすかな希望を私は見いだした気がした。
だから、私はそのページの下方にあった「会社説明会の応募」のボタンを押し、そこに必要項目を記載して送信した。
 
 

会社説明会

 
三菱航空機会社説明会は東京の某所で行われた。
 
確か平日実施だったので、その日は有休休暇を使って休みを取ってその会社説明会に参加した。
 
 
 
 
会場となるビルに着くと一つの会議室が案内されていたので、エレベータに乗ってそのフロアに向かう。その会場となる会議室の中に入るとリクルートスーツを着込んだ人たちがすでに座席に座っていた。
ぱっと見た感じの年齢層としては、皆若かった。その光景を見たときに私は就職活動のことを思い出した。おそらくその会場には「第二新卒」のような人たちもいただろう。一方の私はすでに30歳は過ぎていたように思う。私は場違い感を強く感じながら空いている座席に座った。
 
会社説明会では、まずはその会社の概要について説明があった。
そしてそれに引き続いて、募集している各部署の説明に移る。
 
それを黙って聞きながら、私の心の中はびっくりするくらい冷めていた
その説明された仕事の内容に正直全く心が惹かれなかったのだ。
もともと自分が何をやりたいのかも分からなくなっていた私には当たり前の話なのかもしれない。だって、転職活動をする裏の理由が、その当時働いていた職場での苦しみから逃れたいという現実逃避でしかなかったのだから。その「三菱航空機」への応募も乱暴な言い方をしてしまえば「消去法による応募」以外の何物でもなかった。なんとなく興味をもったから応募してみました、それだけだったのだから。
 
 
 
募集部署の一通りの説明が終わると、休憩になった。
 
そしてその休憩の時間を使って、会議室の後方にいくつかの机と仕切りによる簡単なブースが組み上げられていく。その休憩の後に、実際の募集部署の人たちから個別に話を聞く時間が設けられていたのだ。それは別の言い方をしてみれば一つの面接のようなものだった。
 
私はそこで、少し迷った。
このまま参加して、望みもしない仕事のために面接するのはあまりに苦痛だった。
 
私はその会場の入り口に立っていた社員の人に歩み寄った。
 
「申し訳ありませんが、面接は辞退させてもらってもいいですか?」
 
「仕事内容にあまり興味が持てなかったですか? はい、大丈夫ですよ」
 
思ったよりすんなりとそこを通してくれた。
 
 
 
私はがらんとしたエレベータホールに向かう。そして下のボタンを押した。
 
結局、転職したところで同じことを同じように繰り返すだけなのかな・・・
 
心のどこかで、そんな言葉をつぶやいていた。
 
 

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