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㉞セミリタイアについての基本的な考え方:まとめ(2):どうせ苦しむのなら、少しでも自分がやりたいと思えることで苦しみたい

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転職を進める上での3つの決意の二つ目。

 

 

(2)どうせ苦しむのなら、少しでも自分がやりたいと思えることで苦しみたい

 

転職を考えていた時にすでに私の中では、「企業の中に私の人生における目標を設定しない」ということが一つの結論としてあった。

それは新人として会社という枠組みの中に入った当初から、そして14年間働く中でずっと変わらない一つの思いだった。ここは私がいるべき場所じゃない。この場所では私は自分の強みを発揮できないし、私自身がやりたいと思えることはできない。多岐にわたる仕事の中で、そのごく一部は私の得意なこと、やりたいことに沿ったものになるかもしれないけど、それ以外の大部分は私は企業という組織の中で自分が望まないことをやり続ける必要があったのだ。そしてそのこと自体は私自身がコントロールすることは難しかった。会社や上司の都合で自分の仕事の内容は規定されてしまう。会社という枠組みの中で働く以上、その事実を否定することはできなかった。

 

 

 

ただ、自分の中にもう一つの考えがあったもの事実あった。

確かに企業で働くということは私のような人間にとっては苦行以外の何物ではないのかもしれない。どの会社で働いたとしても、私はその場所で同じように苦しむのかもしれない。

もしそれが事実なら、どうせなら私が少しでもやりたいと思えることで苦しむべきではないのか。得意でもないこと、やりたいとも思えないこと、そのことに人生の多くの時間を費やし、そして苦しみ続けることに強い疑問を感じていた。そして生きる以上、お金をどうにかやって稼ぐ必要があって、そしてそれがその当時の私にとっては「会社」という仕組みしかないのなら、その中でも少しでも私のやりたいことに軌道修正してしまうのはどうだろうか。そんなことを思ったりしていた。

 

 

 

そもそもなぜ私はメーカーの設計開発職に就職しようと思ったのか。

それは大学生の当時にNHKでやっていた「プロジェクトX」というドキュメンタリー番組が元になっていた。それは新製品を作り出す等の何か新しいプロジェクトについて取り上げている番組で、そのプロジェクトの途中で様々な苦難や壁がある中でそれを乗り越え、そして世界にインパクトを与えるような製品を作り出すというものだった。そしてそれを見るときはいつも自分の中に感動があった。苦難を乗り越えて新しい製品を作り出すということが純粋に「おもしろそうなこと」に思えたのだ。

 

転職活動を考えていた時に、その時の記憶も心のどこかでは思い出していた。確かに企業という場所は私のような人間には適していないのかもしれない。確かに設計という仕事は私にとって苦しみ以外の何物でもないのかもしれない。そして現実的問題として、その時すぐに退職、独立に進めるような状況にもない。もしそうならば、

 

どうせ苦しむのなら、私が作りたいと少しでも思える製品を作ってみるというのはどうだろうか?

 

と単純に思ったのだ。そして私が作りたいと思える製品というのは、一般ユーザーが使うような製品だった。その当時の会社では企業向けの製品を作っていて、世間的にもその製品の認知度はあまり高くなかった。私は一般ユーザー向けの製品を作っているメーカーを候補に絞ることにした。

 

 

 

転職してすでに3年がたつ今となってみて、この考え自体は別に間違っていなかったと思う。

ただし、実際に一般ユーザー向けの製品を作るということは実現したのだけど、そこに「プロジェクトX」を見たときのような感動があったかと問われると、私は自信を持って「あった」と答えることはできない。転職して別の会社を経験したということ自体は無駄ではなかったと思うけど、でもやっぱり自分の中の、

 

会社という場所に、私が目指したいと思える未来は存在しない

 

という思いは、全く変わることは無かった。