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【株式投資/企業分析】日本郵政(24年3月期 通期決算)

 

株価チャート

24年3月の1,590円を天井にして、その水準をなかなか超えることが出来ていない。

その後は1,400~1,500円の間をもみ合う状況が続いている。

 

週足で見ると20年9月の650円を底にして一度1,100円まで大きく上昇。

その後800~1,000円の間で2年近くくすぶっていたが、23年7月以降は大きく上昇。

 

日足チャート

 

週足チャート

 

 

 

24年3月期 通期決算

決算発表日:2024年5月15日

 

売上高、営業利益

  • 経常収益:7.6%
  • 経常利益:1.6%
  • 純利益:△37.7%
  • 営業利益率:5.5%

 

増収増益。

ただし、純利益に関しては37%の大幅減

 

 

配当

  • 配当金:50円
  • 株価(5/29):1,458円
  • 一株利益:87.36円
  • 配当利回り:3.4%
  • 配当性向:57.2%

 

配当金は50円を維持。

直近1年の株価上昇もあり、配当利回り3.4%まで低下。

 

配当性向は57%

やや高いが、24年度は増益予想ということもあり、配当性向は62%から57%に下がっている。

 

 

 

 

1株当たり50円の年間配当についても、引き続き安定的に実施する」と決算資料には記載されている。

 

配当性向ではなく、配当金の金額を目安として設定している。

50円を維持するということは、今後配当を減らすつもりはないが、増やすつもりもないということか。

 

 

25年3月期 通期業績予想

  • 経常収益:△5.9%
  • 経常収益:13.7%
  • 純利益:4.2%
  • 営業利益率:6.7%

 

24年度は減収増益予想。

それもあり、営業利益率自体は5.5%から6.7%に改善している。

 

 

損益計算書

 

非支配株主に帰属する当期純利益が896億から1,787億に増えることによって、逆に親会社株主に帰属する分が目減りしている。

 

持ち分比率を下げたグループ会社があるということか。

 

 

セグメント

セグメント利益

  • 郵便・物流事業:△649億円
  • 郵便局窓口事業:734億円
  • 国際物流事業:17億円
  • 銀行業:4,960億円
  • 生命保険業:1,609億円

 

郵便関連の利益は、郵便・物流事業、郵便局窓口事業を合わせて約100億円。

利益の大部分を 銀行業 生命保険業で稼いでいる。

 

 

 

 

ゆうちょ銀行もかんぽ生命も順調に利益を伸ばしている。

日本郵便が足を引っ張っており、赤字すれすれのラインまで利益が落ち込んできている。

 

 

 

金融2社株式処分

 

23年3月にゆうちょ銀行株式を売り出して、ゆうちょ銀行の持ち分比率が89%から61.5%に低下。

それもあり、親会社(日本郵政)に加算される分の持分利益も目減りしている。

 

今後、ゆうちょ銀行の持ち分比率を50%以下に下げるとのことなので、日本郵政側のさらなる利益の目減りが予想される。

 

 

 

 

ゆうちょ株式売却手取り金(1.2兆円)は株主還元成長投資に回しているとのこと。

 

 

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まとめ

増収増益。

ただし、純利益については、ゆうちょ銀行の持ち分比率低下もあり、37%の大幅減。

 

郵便ではほとんど利益が出せなくなっており、銀行、保険が利益の大部分を上げている。

ゆうちょ銀行の持ち分比率を今後さらに下げていく場合、日本郵政側のさらなり利益の目減りが予想される。

 

ここ1年の株価上昇もあり、配当利回りは3.4%まで低下。

今後の増配はあまり期待できない。

株価も1600円を境に売り戻されており、ここら辺が天井か。

 

 

今後の利益構造の見通しも明るくはなく、ポートフォリオの資金を日本郵政から別の候補銘柄に振り分けていくことを検討中。

 

ただし、日本郵政は旧NISA枠で22年3月に購入。旧NISAの期限は5年なので26年は旧NISA枠の枠組みで保有可能。

NISA枠で保有していれば当然、配当金も非課税となる。

 

どのタイミングでポートフォリオの調整を行っていくか。

中々難しい。

 

 

 

 

 

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