株価チャート
24年に入り3,750円の天井を突破した後は大きく上昇。
ただし直近では4,500円が天井となり、4,500円の突破をうかがっている状態。
週足では、20年3月に1,500円まで下落。その後2年間はコロナ前の2,000円という水準まで戻ることは無かったが、22年に入って2,000円を突破してからは上昇トレンドを継続中。
日足チャート
週足チャート
24年3月期 第3四半期決算
決算発表日:2024年2月14日
売上高、営業利益
- 経常収益:9.1%
- 経常利益:63.1%
- 営業利益率:10.4%
増収増益。
しかも増益幅は経常利益で63%、純利益で80%と非常に高い。
配当
- 配当金:121円
- 株価(3/7):4,491円
- 一株利益:338.51円
- 配当利回り:2.6%
- 配当性向:35.7%
ここも株価上昇を受けて配当利回りは2.6%まで低下。
配当性向は35%と低く抑えられているので、配当原資的には問題無さそう。
株主還元の状況
増配を継続中。
自己株式取得も並行して行っていて、23年度は1,200億円を自己株式取得に充てる予定とのこと。
通期業績予想
純利益
- 通期予想:6,700億円
- 第3四半期実績:5,174億円
- 進捗率:77.2%
本決算発表時に、通期業績予想を上方修正。
修正純利益を350億円上積みし、6,900億円の予想に修正。
海外の保険、資産運用が好調とのこと。
損益状況の対前年同期比較
保険引受(収益ー費用)
- 前年度:8,875億円
- 当年度:7,690億円
資産運用(収益ー費用)
- 前年度:3,492億円
- 当年度:6,686億円
前年度との比較では、資産運用関連が大きく伸びている。
保険関連については前年度比で逆に減益となっている。
修正純利益3Q実績
各事業の事業別利益
- TMNF(東京海上日動保険):961億円
- AL(国内保険):240億円
- 海外保険:3,008億円
海外保険の総利益額に占める割合は非常に大きく、57%を占めている。
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まとめ
増収増益。
本決算発表時に、通期業績予想(修正純利益)を合わせて上方修正。
利益水準は高い。
その中で海外保険の占める割合が大きく、人口減少の流れが続く国内以外の収益源が育てられているのが分かる。
ただし、今回の増益のうちの大部分が資産運用収益だと考えられ、たまたま時期が良かっただけという可能性もある。
配当利回りが2.6%まで下がっているので「配当戦略」として買って行くのは難しいかな。
株価上昇が続いておりキャピタルゲイン狙いなら買ってもいいかもしれないが、それでは私の基本戦略と反してしまう。
現時点では様子見。