アーリーリタイア前、会社に向かう通勤電車の中で毎日のように読んでいた本が2冊ある。
それぞれ一度は読了した本ではあったけど、何度も何度も繰り返し読んだ。
一冊目が、「DIE WITH ZERO」という本。
そして二冊目が、「Dark Horse」という本。
DIE WITH ZERO
この本は、次のような「まえがき」で始まる。
まずは、有名なアリとキリギリスのイソップ寓話から始めよう。
夏のあいだ、勤勉なアリは冬の食料を蓄えるためにせっせと働いた。一方の気楽なキリギリスは自由に遊んで過ごした。やがて冬が到来した。アリは生き残り、キリギリスには悲惨な現実が待っていたー。
この寓話の教訓は、人生には、働くべきときと遊ぶべきときがある、というものだ。もっともな話だ。
だが、ここで疑問は生じないだろうか?
アリは”いつ”遊ぶことができるのだろう?
それが、この本のテーマだ。
人生は今日という一日の積み重ね。
それ以外の人生はこの世の中に存在しない。
もし、充実した意味のある「今日」を生きられないのだとしたら、充実した意味のある「人生」なんて生きられる訳が無い。
私はそう信じていた。
それなのに、それまでの私は、いつ来るか分からない「未来」のためにひたすら「今日」を我慢して過ごしていた。
そんな生き方を長年してしまっていた。
「未来」のために「今日」を犠牲にするということは、「人生」を犠牲にすることでもあるんだ。
その事実に気づいていながら、ひたすら見て見ぬふりをし続けていた。
死は人を目覚めさせる。死が近づいて初めて、私たちは我に返る。先が長くないと知り、ようやく考え始めるのだ。
自分は今までいったい何をしていたのだろう? これ以上、先延ばしをせずに、今すぐ、本当にやりたいこと、大切なことをすべきだ、と。
人生の充実度を高めるのは、”そのときどきに相応しい経験”なのだ。
時間と金という限りある資源を、いつ、何に使うかー。
この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れるのである。
「 人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出づくりです。最後に残るのは、結局それだけなのですから」
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。
生きているうちに金を使い切ること、つまり「ゼロで死ぬ」を目指してほしい。
「ゼロで死ぬ」という考え方。
著者は、そのような生き方を目指してほしいと断言している。
それは、私が初めて目にした考え方でもあった。
それまでの私は、老後の心配をしてひたすら資産を貯めることだけを考えていた。
それがないと自由は獲得できないのだ、そう信じていた。
ある意味ではそれは真実なのかもしれない。
だけど、過度の安心のために、老後も使い切れないほどの資産を貯めてどうするんだ。そう冷や水を浴びせかけられたような思いがした。
必要以上にお金を使わないのであれば、今ある資産でも十分死ぬまで持たせることができる。それならば、今ここで自由を獲得して、私が本当にやりたい事に挑戦した方がいいのではないのか。その方が「後悔の無い人生」につながるのではないのか。
私はそのようなことを考えるようになっていった。
死ぬ前に後悔することトップ2
最大の後悔は、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」であった。他人が望む人生ではなく、自分の心の赴くままに夢を追い求めればよかった、と。
人びとは、自分の夢を実現できなかったことを後悔していた。自分の心に耳を傾けず、誰かに用意された人生を生きていると、人生の最後に大きな後悔を抱くのかもしれない。
患者から聞いた後悔のなかで2番目に多かったのは、「働きすぎなければよかった 」だ。
リタイア生活を始めても、積極的に活動できる期間は限られている。だから、今、思い切って大胆な挑戦をすべきだ。
リスクを簡単にとれる時期を活かしきれていない人は多い。
本当にやりたいことを探したいのなら、リスクをとるときがあってもいい。
行動をとらないことへのリスクを過少評価すべきではない
人生で一番大切なのは、思い出を作ることだ。
私が新しく進むと決めた道。
この道の先がどこにつながっているかは分からない。
どこかで行き詰ることもあるかもしれない。
それでも、駄目なら駄目だと分かっただけで充分なんだ。
だけど、試さずに、挑戦せずに人生を終わってしまうと絶対に後悔する。
私は確かに挑戦した。
その事実があれば、意味のある人生を作れると信じていた。