国民年金
企業という枠組みから離れて「セミリタイア」した場合、年金の扱いも変わってくる。
国民年金でいうと、今まで第2被保険者という扱いで年金の手続き自体はすべて勤務先が行ってきた。それが「自由業」という立場に変わるため第1被保険者に変わる。年金の手続きもすべて自分でする必要がある。
年金の制度
- 老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができる
- 20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できる
- 厚生年金の被保険者期間があって、老齢基礎年金を受けるのに必要な受給資格期間を満たした方が65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給できる
つまり支払い期間は20歳から60歳までで、その40年間のうち10年以上支払っている人に受給資格がある。そして受給自体は65歳からスタートするということ。
老齢基礎年金の満額が月額65,141円。
20歳から60歳になるまで40年間支払った場合は総額7,939,200円になるので、その支払い総額の元を取るためには10.1年以上年金受け取り続ける必要がある。
厚生年金
厚生年金の被保険者期間がある人は、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給できる。
現在私は41歳。大学院に行っているので24歳で社会人になった。
つまり今まで16.5年じっと耐えてサラリーマン生活を生きてきた。十分に厚生年金の受給資格はある。では、今ここで会社という組織を離れて第1被保険者になった場合、将来的にどのくらい厚生年金をもらえるのか。
厚生年金は収入額によっても変わってくるので一律計算はできないけど、あるHPに次のような試算結果が載っていた。
22歳で就職、60歳まで同じ会社で勤め上げたAさん
計算条件は次の通りとします。
- 22歳から60歳までの38年間、厚生年金に加入
- 2003年3月までの加入期間は15年。15年間の平均給与月額は25万円
- 2003年4月以降の加入期間は23年。23年間の平均年収額は550万円
- 老齢基礎年金:19,500円×38年=741,000円
- 老齢厚生年金A:250,000円×12×0.7%×15年=315,000円
- 老齢厚生年金B:5,500,000円×0.55%×23年=695,750円
Aさんの年金額:741,000円+315,000円+695,750円=1,751,750円
22歳で就職、35歳で退職し自営業に。35歳から60歳まで国民年金に加入したBさん
計算条件は次の通りとします。
- 基礎年金は22歳から60歳までの38年間(厚生年金13年、国民年金25年)
- 厚生年金加入期間は2003年4月以降のみで13年。13年間の平均年収額は400万円
- 老齢基礎年金:19,500円×38年=741,000円
- 老齢厚生年金B:4,000,000円×0.55%×13年=286,000円
Bさんの年金額:741,000円+286,000円=1,027,000円
ただし、現在は「ねんきん定期便」という便利なシステムがあるので、日本年金機構から送られてくるハガキを見ると自分の老齢厚生年金の額が分かるようになっている。それを見ると現在の私の老齢厚生年金は「540,730円」。今、厚生年金から離脱しても、年54万の厚生年金が得られる。
老齢基礎年金:781,692円
老齢厚生年金:540,730円
合計:1,322,422円
当然、60際の定年まで会社員として働き続けるよりは受給金額は少なくなる。ただし、1人であれば十分に生きていけるような金額。
60歳になるまで心身をすり減らすようにして生きるのと、今ここで会社を辞めて41歳から60歳までの20年間を自分が望むように自由に生きるのとどちらを選択するべきなのか。はっきり言って圧倒的に後者の方に魅力を感じる。
今やっていることをあと20年も続けなければならないのだとしたら、それは想像するだけで絶望的な気持ちに襲われる。