株価チャート
日経平均が大きく上がっている中、逆行して23年5月の 2,350円を天井にして下降トレンド形成中。
24年に入っても下降トレンドは変わらず。
週足では、20年9月の 1,400円を底にして緩やかに上昇を続けていたが、23年5月の2,350円を天井にしてトレンドが下降トレンドに転換してしまっている。
日足チャート
週足チャート
24年3月期 第3四半期決算
決算発表日:2024年2月5日
売上高、営業利益
- 売上収益:2.1%
- 営業利益:△59.1%
- 営業利益率:6.2%
増収減益。
減益幅は59%と非常に大きい。それに伴って営業利益率も6%まで低下してしまっている。
配当
- 配当金:70円
- 株価(3/14):1,589円
- 一株利益:32.34円
- 配当利回り:4.4%
- 配当性向:216.4%
株価低迷を受けて配当利回りは4.4%まで上がっている。
ただし配当性向は200%を超える値となっており、この水準の配当を維持できるのかは疑問。
通期業績予想
営業利益
- 通期予想:830億円
- 第3四半期実績:741億円
- 進捗率:89.2%
通期業績予想が前年度からの37%の減益を見込んでいることもあり、第3四半期時点での進捗率は89%と高い値になっている。
下方修正
- 売上収益:15,620億円(△2.9%)
- 営業利益:830億円(△32.5%)
本決算発表時に売上、利益ともに通期予想を下方修正。
利益については前回予想から30%以上の大幅な下方修正となっている。
VEOZAHの売り上げが想定を下回ったためとのこと。
アステラス製薬、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状の治療薬として開発中のVEOZAHについて米国で承認取得 - 日本経済新聞
バランスシート
社債及び借入金
- 非流動負債:4,638億円
- 流動負債:4,071億円
社債及び借入金が、前年度より7,700億円近く増えている。
2023年7月にIveric Bio社を買収して連結子会社にしたとのことなので、その買収資金確保のためだと思われる。
それでも総資産に占める有利子負債の比率は約25%とそれほど高いわけではないが、少し気になる。
キャッシュフロー計算書
子会社取得のための支出として7,847億円もの資金が流出している。
それのための資金として、短期借入金(2,631億円)、社債(4,716億円)を大きく増やしている。
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2024/02/06 日本経済新聞
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2023/05/01 日本経済新聞
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アステラス、米同業を買収 バイオ医薬品、8000億円で 眼科の新薬狙う - 日本経済新聞
まとめ
増収減益。
しかも減益幅は59%と非常に大きい。
利益構造の毀損が懸念される。
配当利回りは4.4%と高いが、配当性向も216%と非常に高く、この水準での配当の持続性について疑問を感じる。
おそらくその辺りが嫌気されて、日経平均が大きく上がる中で逆行して下がり続けているのだろう。
配当利回りは魅力だけど、買うのは少しリスクが高そう。