スマートゴール(現実的目標)
人生において何かの目標を設定するとする。
例えば、「経済的自由を確立して、企業や国に束縛されずに自由に生きられる状態を作りたい」
だけどその目標があまりに抽象的すぎると中々前に進めない。あまりに抽象的すぎると次に何をすればいいのか分からないから。そしてほとんどの人はその状態で留まってしまう。色々と願ってはいるのだけど、その願いが抽象的すぎてすべきことが見えずに結局昨日と同じ行動を自己嫌悪の中で繰り返す。
その状態では中々人生は変えられない。
GEの成功の鍵のひとつは目標設定に長けていることだ、と経営陣は自慢していた。
GEは1940年代に企業目標設定システムを制定し、これは後に世界中の企業の手本となる。*1
「社員一人ひとりが上司に、次の一期間にどのような目標を立てるか、それをいかに達成するか、それによってどのような成果が期待できるかについて手紙を書くのである。この手紙を上司が受け取ると、たいていは編集と討論を経て、この手紙が雇用契約になるのである」
1980年代になると、これがいわゆるスマートゴール(現実的目標)に発展する。
その目標はユニークで、計測可能で、到達可能で、現実的で、年間計画に沿っていなければならない。
具体的で高い目標設定は、たとえば「最善を尽くす」というような、容易で漠然として曖昧な目標設定よりも、より高い成果を生む。
スマート・システムのような目標設定は、人びとの頭の中で漠然とした願望を具体的な計画に変換するからだ。
「目標をスマート要素に分解できるかどうかが、たんに何かを切望することと、いかに達成するかを考案することとの分かれ道になる」
必要なことは、その目標を徹底的に具体化すること。
そしてその具体化した目標をさらに細かい要素に分け、その要素に対して具体的な行動を設定していくこと。
そこまでしてようやく自分が今何をすべきなのかが見えてくる。
例えば、「経済的自由を確立して、企業や国に束縛されずに自由に生きられる状態を作りたい」。
それは具体的にどのような状態なのか。不動産を所有して家賃収入を得ることなのか。あるいは、株式を所有して配当所得を得ることなのか。
それによってすべきことも変わってくるはず。
人生のほとんどは自分の目標をほかの誰かが設定してくれることは無い
学生の受験などはありがたいことに目標は具体的だし明確に設定される。「〇〇大学に合格する」など。
それによって何をすべきかもかなりの具体性で設定することができる。
だけど、人生のほとんどは自分の目標をほかの誰かが設定してくれることは無い。
自分で必死になって考え、自分自身に具体的な目標を設定してあげなければ一度きりの人生を無為に過ごすことなってしまう。
*1: あなたの生産性を上げる8つのアイディア チャールズ・デュヒッグ 著