「頭が良い」って何?
時々、「もっと頭が良くなれば、この困難な問題も解決できるのだろうか?」なんてことを考えたりする。
でも、そもそも「頭が良い」ということはどういうことなのだろう。
世の中には非常に記憶力のよい人がいる。確かに記憶力の良さは「頭の良さ」の構成要因の一つのような気もするけど、おそらくそれだけでは足りない。サヴァン症候群のように非常に記憶力が良くても、世の中の重要な問題を解決することはできない。
- 知識を持っている。
- その知識をベースにして、複雑な操作をすることができる。
おそらくこの二つが重要なのだろう。
「知識を持っている」ということは、色々な事項のつながりを整理したうえで、記憶するということ。そして必要な情報を必要な時に取り出せるということ。
「複雑な操作をする」とは、記憶から引き出した知識を操作して、価値のあるアイデアや洞察を作り出すということ。
そんなことを漠然と考えたりしていた中、ある本の中で「ワーキングメモリ」という言葉に出会った。
ワーキングメモリ
ワーキングメモリとは「作業記憶」の基本的な認知スキルのことで、意識して情報を処理することらしい。*1
ある意味では脳の「指揮者」であり、脳の部位では前頭新皮質、海馬、偏桃体、前頂間溝、ブローカ野が関連する。
ワーキングメモリの主な機能は二つ。
- 優先順位をつけてから、情報を処理する。関係のないものは無視し、必要な情報から処理できるようにする
- 情報を利用して作業できるよう、保管する
日常生活では下記のような場面で活用される
- 情報に優先順位をつける
- 重要なものごとに集中する
- ものごとをすばやく考える
- 賢くリスクを冒す
- 勉強をスムーズに進める
- 個人的な判断をくだす
- 新たな環境に適応する
- モチベーションを維持し、長期目標を達成する
- 切迫した状況でもポジティブでいられる
IQとの違いでいうと、IQとは、自分が知っていること。
いっぽうワーキングメモリとは、自分が知っていることを利用できること。
*1:「脳のワーキングメモリを鍛える!」トレーシー・アロウェイ 著