ワーキングメモリと意志
意思というのは消耗するものだと聞いたことがある。
例えば、多くの決断を迫られて消耗した状態だと、中々自分を律することが難しくなる。
ただ、この世の中では(少なくとも会社という組織の中で生きている以上)多くの決断を迫られて、また精神的ストレス下の中で一日が終わるころにはひどく疲弊するような毎日を生きている。
だけど、その状態を是として流されるように来ていたら、何も成し遂げられないし、どこにもたどり着けない。
そう考えると、いかにして自分の意志の絶対量を増やすかということは、意外と大切なことなのかもしれない。
意思は、ワーキングメモリからえられる最大の恩恵*1
体内の情報:ホルモンのレベル、機嫌、感情、さまざまな器官からの情報
体外の情報:五感によって伝達される絶え間ない情報の流れ
根源的システムの情報:わたしたちが縛り付けられている言語、記憶、価値観、文化、倫理観、法律などの情報
ワーキングメモリはこうした情報をすべてとりいれ、分類し、一連の行動を起こす決断をくだし、計画を実行する。
満足を得るのを先延ばしにできること。
それは、生きる上で大きな利点となる。
子ども時代に満足を先延ばしにできた人の前頭前皮質が活性化していた。
満足を先延ばしにする能力と、誘惑に負けず、注意をほかの対象に向ける能力は、人生の様々な場面で欠かせない。
脳を鍛えることで、意思の絶対量を増やせるということなのか。
もしそれが事実だとしたら、試してみる価値はあるように感じる。
*1:脳のワーキングメモリを鍛える! トレーシー・アロウェイ著