株価チャート
23年9月に3,200円付近まで上昇していたが、その後は3,000~3,200円をもみ合う形で中々3,200円の天井を突破できていなかった。
しかし直近ではその天井も突破して3,400円まで到達。
週足で見ると、20年3月に一度1,000円付近まで下がっていたが、その後は上昇トレンドを継続。
日足チャート
週足チャート
24年3月期 第3四半期決算
決算発表日:2024年2月14日
売上高、営業利益
- 経常収益:△1.2%
- 経常利益:19.8%
- 純利益:42.1%
- 営業利益率:4.8%
減収増益。
前年同時期がその先年からの大幅減益となっており、それもあって今期は大幅な増益につながっている。
配当
- 配当金:86円
- 株価(2/19):3,434円
- 一株利益:282.74円
- 配当利回り:2.5%
- 配当性向:30.4%
ここ数年にわたる大幅な株価上昇を受けて、配当利回りは2.5%まで下がってしまっている。
3%も切ってしまっているので、さすがに配当銘柄として買っていくのも難しいか。
ただ、配当性向は30%と低く抑えられているので、今後の増配余地は十分にありそう。
決算資料に「1株あたり配当の減配は原則行わない」と明記。
累進的配当戦略を取っている。
配当性向は30%以上とし、総還元性向は50%を目安として「柔軟な追加還元の検討」とのこと。
それもあって、23年3月期は配当で848億円を拠出し、それに追加して自己株式取得で1,200億円を拠出している。
24年3月期は自己株式取得の予定は記載されていない。
ベネフィット・ワン買収もあり、手元資金を潤沢にしておく狙いもあるかもしれない。
通期業績予想
経常利益
- 通期業績予想:4,650億円
- 第3四半期結果:3,739億円
- 進捗率:80.4%
通期業績予想について、売上(経常収益)を上方修正。
保険販売が好調とのこと。ただし、経常利益、純利益については据え置き。
経常利益について第3四半期決算時点で進捗率は80%に到達。
通期決算時に利益予想を上回ってくる可能性もありそう。
ベネフィット・ワン買収
買付のために約2,920億円も費やす。
その資金は、手元資金で賄う想定とのこと。
ベネフィット・ワンは福利厚生アウトソーシングサービスを取り扱っており、そのシェアは23年4月時点で約25%。
福利厚生事業の営業利益率は非常に高く、33~43%を推移している。
将来的には福利厚生事業と国内保険事業のシナジーを生み出していくとのこと。
確かに日本は人口減少の流れは変わらないだろうから、国内保険事業もある意味ではじり貧。
それもあって、ベネフィット・ワンを買収するのだろう。
関連記事
2024/02/15 日本経済新聞
第一生命ホールディングス(HD)が14日発表した2023年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比42%増の2179億円だった。為替ヘッジ付きの外国債券の削減で利配収入が減ったものの、新型コロナウイルス関連の給付金の支払いが減少したことが大きい。株主還元の原資となるグループ修正利益は30%増の2146億円だった。
2024/02/10 日本経済新聞
第一生命ホールディングス(HD)は9日、福利厚生代行のベネフィット・ワン株へのTOB(株式公開買い付け)を始めた。医療情報サイト運営のエムスリーとの争奪戦を「後出し」提案で制し、日本のM&A(合併・買収)の歴史に一石を投じた。背景には顧客との接点を確保できなければ成長が見込めないとの危機感がある。
まとめ
利益構造は回復が見られる。
国内保険事業は人口減に伴いじり貧が予想されるが、それに対して前もって手を打ち、複利厚生アウトソーシング事業(ベネフィット・ワン)を買収したのは理解できる。
ただ、ここ数年の株価上昇もあって配当利回りは2.5%まで下がってしまっている。
累進的配当戦略を謳っているが、この水準では「配当銘柄」として買っていくのは難しい。
市場要因の株価調整待ち。
買うとしても、買い付け額を抑えた試し買いかな。