知識蓄積ノート【投資・FIRE】

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母の還暦の挨拶(3)

 

「次に私が話したいのは」

 

私は言葉を続ける。

 

「これまで、色々とやりたくてもやらなかったこと、できなかったことがあるかと思うのですが、それをやって欲しいと思います」

 

周りは静かに、私の言葉に耳を傾けている。

 

 

 

 

 

人生において一番大切なことは、後悔の無い人生を生きること。

 

この言葉は、その当時、自分自身に何度も投げかけていた言葉だった。

 

 

 

人生において一番大切なことって何だろう。

そんなことをいつも考えていた。そしてその時の私の答えが「後悔の無い人生を生きること」だった。

 

人生の終わりが見えたときに、「〇〇をやっていればよかった」「××をどうしてやらなかったんだろう」と後悔してしまうことが死ぬほど恐ろしかった。やりたいと思っていたことが山ほど自分の中にあるのに、それをやるだけの時間や体力がその時の自分には残されていないと思い知らされることを想像するだけで、背筋がぞっとなるような恐怖を覚えた。

 

では、どうしたら後悔の無い人生を生きられるのか。

 

きっと、自分自身が価値を信じられる目標を設定して、今日という一日をその目標達成のために精一杯努力すること。その結果その目標を達成できるかどうかは実はそれほど重要ではなくて、それに向けて挑戦したというプロセスが大切な気がした。

 

 

 

人生は今日という一日の積み重ね。

それ以外の人生は、この世の中には存在しない。

 

だから、充実した意味のある「今日」を生きられないのだとしたら、充実した意味のある人生なんて生きられる訳が無い。

 

 

その当時の私は、本気でそのように信じていた。

 

 

 

その思いを言葉にしたのが、

「やりたいことをやって欲しい」

という言葉だった。

 

 

 

 

 

 

私は締めるように次のように言葉を続けた。

 

「後悔の無いように、やりたいと思っていることは全てやってください」

 

私の家族、叔父夫婦は、その私の言葉を聞いてしばらく黙っていた。私のこの言葉は、何かしらの意味を彼らに与えたのだろうか。

 

その食事会は私のあいさつの後も続いていたのだけど、私はそんなことをぼんやり考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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