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【株式投資/企業分析】日本郵船(23年3月期 第3四半期決算)

 

株価チャート

23年3月の3,600円を天井にして売り戻されている。

3/30が配当の権利落ちだったのだけど、その下落が思ったよりも小さい。前回の権利落ちの際は10%を超える下落だったので、今回との差は何だったのか。

 

週足で見るとここ2年ほどの上昇が異常なのが分かる。

株価は現状の3,000円の水準で推移していくのか、あるいは再び1,000円近くまで売り戻されるのか。不透明。

 

 

日足チャート

 

週足チャート

 

 

23年3月期 第3四半期決算

決算発表日:2023年2月10日

 

売上高、営業利益

  • 売上高:22.3%増
  • 営業利益:26%増
  • 純利益:33%増
  • 営業利益率:12.1%

 

増収増益。

前年度の増収幅は300%と異常だけど、それからさらに利益を伸ばしている。

 

 

配当

  • 配当:510円
  • 株価(4/1):3,089円
  • 一株利益:1,969.05円
  • 配当利回り:16.5%
  • 配当性向:25.9%


日本郵船は22年10月に1株を3株に株式分割

それを加味して計算すると、配当利回り16.5%と異常に高いわりに、配当性向が25.9%と低め。

ここの数値だけをみると異様に魅力的には見える。

 

第2四半期末分の利回りが約10%、期末分の利回りが約5%となっている。

なので前年9月末の権利落ちでは株価が約10%下落し、この3月末での権利落ちでは株価が約5%下落にとどまっているということか。

 

 

 

配当性向は企業方針として25%を目安にするとのこと。

 

24年3月期の利益水準は現状から半減すると予想されている。
ただ、利益が現状から半減したとしても配当利回りは約8%。十分高い。

 

 

 

 

バランスシート

 

純資産が8,000億も増えており、それに伴い自己資本比率も55%から63%に改善。

巨額の利益水準によって財務構造も大きく改善している。

 

 

通期業績予想

  • 売上高:26,000億円
  • 営業利益:2,900億円
  • 純利益:10,000億円


通期業績予想を修正。

基本的には大きくは変わっていないが、売り上げ、純利益が下方修正なのは気になる。

 

 

セグメント

セグメント利益

  • 定期船事業:7,288億円
  • 航空運送事業:564億円
  • 物流事業:502億円
  • 不定期専用船事業:1,744億円

 


定期船事業(コンテナ船)だけで 7,000億円以上の利益を上げている。

 

 

 

第4四半期は定期船事業(コンテナ船)における神風のような爆益は大きく低減するという予想。

問題は、来年度がどうなるか。

 

 

 

 

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www.nikkei.com

 

 

まとめ

コンテナ船の神風(爆益)を受けて、膨大な利益を上げている。それによって多額の配当を拠出しており、配当利回りも16%を超えているような状況。

 

第4四半期ではコンテナ船における利益も大きく減退するという予想になっており、その神風がどこまで継続するかが大きなポイント。

 

ただし24年3月期に利益が半減したとしてもそれでも配当利回りは約8%程度を維持できると予想される。

 

ここ数年に絞ればポートフォリオに加えるのもあり。

問題は、市況の影響を大きく受けやすいので、株価も乱高下しやすいこと。ある程度投資額を絞っての保有になるかな。

 

 

 

 

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