株価チャート
8/5の暴落から株価は戻ってきてはいるが、それでも戻りきっていない。
それ以前の24年5月の 2,700円を天井に下降トレンドに移行しており、それほど買い圧力は高くはないと考えられる。
週足で見ると22年1月の1,400円を底にして大きく株価は上昇しているような状況なので、しばらくは2,200~2,400円辺りをもみ合う形が継続するかもしれない。
日足チャート
週足チャート
25年3月期 第1四半期決算
決算発表日:2024年7月31日
売上高、営業利益
- 売上高:△7.9%
- 営業利益:23%
- 純利益:44.6%
- 営業利益率:12.3%
減収増益。
増益幅は23%と非常に高い。それもあり、営業利益率も12.3%と高い値になっている。
発電という装置産業であることを考えても、この利益率は優秀。
利益増減要因 項目別内訳
- 発電事業(火力・その他)+200億円
- 発電事業(再エネ)+5億円
- 発電事業(諸費用等):▲25億円
- 送変電事業:▲5億円
- 海外事業:+10億円
- 電力周辺関連事業:▲110億円
- その他営業外収支:+70億円
- 為替差損益:▲70億円
発電事業(火力・その他)だけで200億円の増益となっている。
増益要因としては「火力発電所の運用形態変化への対応による収支改善」とのこと。
配当
- 配当金:100円
- 株価(8/13):2,373円
- 一株利益:229.67円
- 配当利回り:4.2%
- 配当性向:43.6%
ここのところの株価下落もあり、配当利回りは4.2%まで上昇。
配当性向も43%とそこまで高い値ではないので、配当原資もすぐに尽きるという訳でもなさそう。
25年3月期 通期業績予想
営業利益
- 通期業績予想:640億円(△39.5%)
- 第1四半期実績:326億円
- 進捗率:50.9%
通期業績予想で営業利益は640億円と前年度から 約40%の大幅減益を見込んでいる。
その中で第1四半期では 23%の大幅増益となっており、第1四半期時点での進捗率は50%を超えている。
ただし、今回の決算発表時に通期業績予想の修正は無し。
第2四半期以降に大幅な減益を見込んでいるのか、あるいは第1四半期時点なのでまだ現時点では上方修正していないだけなのか。
損益計算書
営業費用
- 電気事業営業費用:1,610億円
- 海外事業営業費用:506億円
- その他営業費費用:146億円
営業収益は前年度から減ってしまっているが、それ以上に営業費用の圧縮ができている。
その中でも海外事業営業費用だけで約170億円も削減できているのが大きい。
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2024/06/20 日本経済新聞
Jパワーが国内の石炭火力9基を脱炭素に向けて改修する。アンモニアを年間100万トン超輸入し燃料を転換するほか、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留も組み合わせて環境負荷を抑える。2030年度までに洋上風力など4000億円かけて再生可能エネルギー事業も進めるが投資負担も重い。収益を確保しながら脱炭素へ円滑に移行できるか、厳しい局面が続く。
Jパワーは国内16基の石炭火力を保有している。合計の発電能力は計9000メガワット程度とJERAに次ぐ規模だ。電源構成の4割は石炭火力と高く、脱炭素の取り組みを迫られている。5月に発電所ごとの将来計画を発表し30年度までに3基の廃止、2基を廃止か予備電源としての休止のいずれかにする方針だ。
Jパワー、脱炭素化重く 国内の石炭火力9基改修 アンモニアに燃料転換 - 日本経済新聞
まとめ
25年3月の通期業績予想(営業利益)が約40%の減益予想となっているのに対し、第1四半期決算では逆に23%と大幅な増益となっている。
それがポジティブインパクトにもなっていたのか決算発表後はやや株価は上昇。しかし8/5の日経平均の大暴落につられてこの銘柄も大きく売られている。
そこから株価は上昇に転じているが、その間の下落分を戻しきれていない状態。
株価下落もあり配当利回りは4.2%まで上昇。
配当性向もそれほど高いわけではないので、今の利益水準を維持できるのであれば、ある程度はこの水準の配当金も維持できると考えられる。
私のポートフォリオではJパワーは旧NISA枠で購入している。保有期限は2025年。少なくとも来年一杯には一度売却する必要がある。
2025年までJパワーを旧NISA枠で保有して、2025年の新NISA枠で買い直すか。
あるいは2024年にある程度株価が回復するのであれば、その時点で一度売却をしてしまうか。
そろそろ離脱戦略も考えておこう。