2025年7月10日の日経新聞の記事。
2025/07/10 日本経済新聞
トランプ米大統領が戦略物資の国内生産拡大に動き出した。海外から輸入する医薬品や医薬品原料に対して200%、銅や銅関連製品に対して50%の追加関税を課す方針を8日に表明した。高税率をかけて自国への投資や供給網の見直しに向けた圧力を高め、米国の安全保障を拡充する狙いだ。
概要
- 医薬品には1年超の猶予期間を設けたうえで追加関税をかける計画だ。明らかになっている品目別関税の中では最も税率が高い。
- 米商務省によると、米国の医薬品の輸入額は2024年に2468億ドル(約36兆円)と、米国輸入総額の7.6%を占める。米調査会社のIQVIAによると、同年の米国の医薬品の市場規模は全世界の4割超に相当する7978億ドル(117兆円)で、30%を輸入に依存している計算だ。
- トランプ氏の医薬品関税の表明などを受けて、生産の現地化を目指す製薬大手の発表が続く。米メルクやスイスのノバルティスといった各社が投資を表明した。
- 財務省の貿易統計によると、日本から米国への24年(1年間)の「医薬品」の輸出額は4114億円で、米国への輸出総額の1.9%だった。日本の製薬大手は売上高に占める米国市場への依存度が高いが、生産拠点は米国を含め世界に分散している。
- 武田薬品工業は連結売上高の半分を米国事業が占める。5月にトランプ氏が医薬品の関税導入を表明した後、今後5年間で米国へ300億ドルを投資する方針を示した。
医薬品に関しては品目別の関税をかけるとしていたトランプ大統領が、医薬品に対して200%もの高関税をかける予定であることを発表した。
ただし、関税の発動までは1年超の猶予期間を設ける。
その間に、製薬会社に米国への生産拠点移転を促す考えとのこと。
その後、医薬品への関税に関しては7月末にまずは低税率で発動する考えであることがトランプ大統領の口から述べられている。
2025年7月17日 日本経済新聞
トランプ米大統領は15日、ワシントン郊外の空軍基地で記者団の取材に応じ、輸入する医薬品・医薬品原料に対する追加関税の発動に関し「おそらく7月末になるだろう」との見通しを明らかにした。
これまで税率が200%になる可能性を示していたが、この日は「まずは低い関税から始める」と語った。具体的な税率など詳細には触れなかった。
米薬価切り下げ
米国の医薬品に関しては、2025年5月に「米国の薬価を引き下げるための大統領令」にトランプ大統領が署名している。
それに対して、今回の医薬品に対する200%もの高関税の発表。
薬価を切り下げた中で輸入品に対して高関税がかかるとなると、米国への医薬品の輸出を行っている製薬会社は大きな影響を受けると推測される。
トランプ関税の今後
トランプ大統領の任期が切れた4年後は政策変更もあるはず。だからそれまで我慢すればいい。
そのような楽観論もあるだろうが、そう楽観的でもいられない。
関税収入で米国はすでに巨額の税収を獲得しており、それが「安定財源化」することによって将来的にも関税撤廃が困難になるリスクも報じられている。
2025/07/18 日本経済新聞
関税による収入が米政府の財政を急速に潤している。トランプ政権発足後の1~6月では計872億ドル(約13兆円)に達した。今後は法人税に次ぐ規模になると想定される。安定財源としての位置づけを固めれば、政権が交代しても撤廃や引き下げが困難になる懸念がある。

確かに未来のことは分からない。
トランプ大統領の政策もこれまで二転、三転してきている。
ただし、その中の可能性の一つとして長期にわたって今回の関税が維持される可能性も考慮して、投資戦略を立案する必要があるかもしれない。
