株価チャート
25年4月頭のトランプ関税ショックで大きく株価が下がっていたが、800円を底に反転してきている。
ただし、ショック前の水準(1,100円)までは回復していない。
日足チャート
週足チャート
25年3月期 通期決算
決算発表日:2025年4月28日
売上高、営業利益
- 営業収益:7.4%
- 営業利益:8.5%
- 親会社株主に帰属する当期純利益:27.0%
- 営業利益率:12.0%
決算結果は増収増益。
前年度も大幅な増収増益だったが、そこからさらに売上、利益ともに伸ばすことができている。
配当
- 配当金:44円
- 株価(5/1):925.8円
- 一株利益:106円
- 配当利回り:4.7%
- 配当性向:41.5%
会社の方針としては、「連結業績を反映して半期ごとに配当性向50%以上の配当を行う方針」としている。
26年3月期の年間配当44円は「下限」とのこと。
会社としては26年3月期の通期業績予想は行っておらず、配当金額も現時点では未定としている。
セグメント情報
セグメント利益
- WM部門:806億円
- AM部門:774億円
- GM&IB部門:427億円
大和証券Gの報告セグメントとしては3つある。
- ウェルスマネジメント部門:個人や未上場法人向けに金融商品・サービスを提供
- アセットマネジメント部門:さまざまな資産を投資対象とした投資信託の設定・運用、不動産を投資対象とした投資法人・ファンドの運用等
- グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門
WM部門が証券会社としての手数料ビジネス、AM部門が証券、不動産の資産運用、GM&IB部門が海外向けビジネス、投資銀行ビジネスといったところか。
それぞれのセグメントで満遍なく利益を上げることができている。
それぞれの部門における利益の推移を見ても、それぞれの部門で順調に利益を伸ばすことができている。
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2025/05/01 日本経済新聞
30日までに2025年3月期決算を発表した大手証券4社の純利益は、合計で前の期比57%増の6416億円だった。「貯蓄から投資」の流れが進む中で個人や富裕層向けの営業が好調だったほか、企業活動の活発化で投資銀行も伸びた。
野村ホールディングス(HD)は19年ぶりに最高益を更新し、大和証券グループ本社は14年3月期に次ぐ過去2番目の純利益となった。
好調の理由は大きく2つある。1つ目は、新たな少額投資非課税制度(NISA)などで「貯蓄から投資」が加速したことだ。個人・富裕層向けの営業部門の業績がSMBC日興では3倍。野村で4割、大和が2割の増益となった。
もう一つは、資本効率の改善に向けた企業活動の活発化による投資銀行収益の拡大だ。
ただ、足元ではこうした追い風に反転の兆候がある。4社合計の四半期ベースの純利益は、25年1~3月期が24年10~12月期比で30%減少した。
主因はトランプ米政権の政策だ。年明け以降の株価の変調で、野村とSMBC日興では、25年1~3月の個人部門の売買手数料に基づくフロー収益が24年10~12月に比べて2割減った。「相互関税政策をきっかけに(顧客の)様子見姿勢が広がった」(野村の北村巧財務統括責任者)
証券大手4社、57%増益 前期最終、投資銀部門が伸びる 米相互関税で変調の兆し - 日本経済新聞
2025/04/29 日本経済新聞
大和証券グループ本社が28日発表した2025年3月期の連結純利益は、前の期比27%増の1543億円だった。売上高にあたる純営業収益は9%増の6459億円だった。個人向けや富裕層部門が好調だったほか、資産運用部門や投資銀行部門も寄与した。
まとめ
25年3月期通期決算結果は増収増益。
前年度も大きく利益を伸ばしていた中で、さらに大幅な増益を達成している。
新NISAなどによる「貯蓄から投資」の流れで個人向けの収益が伸びたことと、投資銀行収益の拡大が主な増益理由となっている。
ただし、足元ではトランプ関税の影響でM&Aの執行が足踏みとなっており、影響が出始めているとのこと。
配当利回りは4.7%と高い。
26年3月期の配当金については、配当性向50%以上を目安にするとのこと。
25年3月期までは大きく利益を伸ばすことができているが、トランプ関税の影響も考えると先行きはそれほど楽観視もできない。
株式の保有は継続してもいいと考えるが、積極的に買い増していくのにはリスクはありそう。