株価チャート
24年6月の 4,600円を天井に緩やかな下降トレンドを形成中。
10/31の決算発表後は、窓を開けて大幅下落。
日足チャート
週足チャート
24年12月期 第3四半期決算
決算発表日:2024年10月31日
売上高、営業利益
- 売上収益:11%
- 営業利益:0.8%
- 営業利益率:26.5%
増収増益。
増収幅は11%と大きいが、増益幅は0.8%とそれほど大きくはない。
ただしそれでも営業利益率は26%と非常に高い値になっている。
配当
- 配当金:194円
- 株価(11/4):4,125円
- 一株利益:263.02円
- 配当利回り:4.7%
- 配当性向:73.7%
配当利回りは4.7%と非常に高い。
配当性向も73%と高い値になっているので、純利益の大部分を配当金として拠出していることになる。
24年12月期 通期業績予想
営業利益
- 通期業績予想:6,880億円
- 第3四半期実績:6,366億円
- 進捗率:92.5%
営業利益について、通期業績予想は前年度比2.3%増の予想。
第3四半期時点の進捗率は92%となっており非常に高い。通期決算時にさらなる上方修正の可能性も高そう。
本決算発表時においても、売上、利益(営業利益)ともに上方修正はしている。
損益計算書
売上増に伴って売上総利益も約750億円の増益。
販管費が約700億円増えてしまっているが、何とか営業利益の増益は確保している。
Vector Group Ltd. (VGR) の買収
米国のたばこメーカーであるVectorを買収。
それによって、米国における市場シェアは2.4%から8.2%に増加。
紙巻たばこからの収益を確保して、それを加熱式たばこへの投資に回していく戦略とのこと。
カナダにおける訴訟について
カナダの喫煙と健康に関する訴訟について、調停人から被告各社に約3.5兆円の和解金での和解を提案されている。
しかし、JTとしてはその再生計画案に同意することが出来ないとの意見書を24年10月24日に提出。
3.5兆円の和解金の再生計画案は、フィリップモリス、ブリティッシュアメリカンタバコ、JTに対するもの。
本訴訟についてJTは、JTのカナダ現地子会社(JTI-MC)の保有資産の範囲内での和解金支払いを考えているとのこと。つまり、JT本体とは切り離す考え。
関連記事
2024/11/01 日本経済新聞
日本たばこ産業(JT)は31日、2024年12月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比3%減の4670億円となる見通しだと発表した。従来予想を80億円下回る。海外でたばこの値上げが進むものの、円相場の上昇で外貨建て借入金の為替差損を計上する。税金費用も増える。年間配当は従来計画(194円)を据え置いた。
2024/11/01 日本経済新聞
日本たばこ産業(JT)は31日、健康リスクを巡るカナダの訴訟で、巨額の和解金支払いを求める裁判所の案に同意しないと発表した。JTは和解案について「いくつかの重要な課題がある」とし、解決に向けた計画をカナダの裁判所に24日付で提出した。
2024/10/22 日本経済新聞
日本たばこ産業(JT)を含むたばこ大手3社が絡む健康リスクを巡るカナダの訴訟で、巨額の賠償金を支払うよう求める和解案が提示された。案では賠償金の原資をカナダ法人の将来の利益に限定し、JT本体や過去の収益とは切り離した。
和解案は18日に米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が公表した。カナダの裁判所が任命した調停委員がJTやPMI、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの3社のカナダ法人に計325億カナダドル(約3.5兆円)の賠償金を提示した。
和解案では支払いの原資はカナダ子会社での将来の利益とされており、「一時的な損失によるJT本体の資金流出がないため、配当上の影響も少ない」(佐治氏)とみる。
2024/10/20 日本経済新聞
日本たばこ産業(JT)と米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの3社が、カナダで起きたたばこの健康リスクを巡る訴訟で、計325億カナダドル(約3・5兆円)の和解案を提示されたことが18日わかった。
カナダでは今回の3社に対し、健康リスクについて十分な説明をせずにたばこを販売したとして、消費者を原告とする集団訴訟が起きている。
2024/08/22 日本経済新聞
日本たばこ産業(JT)は21日、米たばこ大手のベクター・グループを買収すると発表した。買収額は3780億円で全株式を取得する。2024年12月期中に株式の取得が完了する見通し。世界的に普及が進む加熱式たばこで出遅れており、規模拡大で挽回のための投資原資を捻出する。
ベクター・グループは米国4位のたばこメーカーで23年12月期の売上収益は14億2400万ドル。米を中心に紙巻きたばこの「モンテゴ」などを展開する。
JT、米たばこ大手ベクターを買収 3780億円で全株式取得 - 日本経済新聞
まとめ
決算結果は増収増益。
第3四半期時点の営業利益の進捗率は92%と非常に高い値となっており、通期決算時のさらなる上方修正も期待できる。
カナダでは訴訟問題を抱えており、約3.5兆円の和解案のニュースが出たときは、リスクを嫌気してJTの株価が一時急落した。
やはりタバコメーカーということで、この手の訴訟リスクはどうしても抱えることになる。
この訴訟問題もまだ結論が出ておらず、まだまだどう転ぶか見えてこない。
配当利回りは4.7%と非常に高い。
現時点で配当性向は73%と高い値となってしまっているため、利益を伸ばしていかない限りさらなる増配は難しいか。
ただしタバコという独占製品を有しており、巨額の利益をコンスタントに上げることはできている。
株価が下がったときに、他の銘柄との分散を意識しながら買い増しを検討していこう。