知識蓄積ノート【投資・FIRE】

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ドアの外に誰かがいる(1)

 

7、8年前、まだ私が厚木に住んでいた頃の話だ。

 

その当時の私は厚木で一人暮らしをしていて、マンションの一階に住んでいた。

 

 

 

確か、12月30日だった。

会社での仕事は12月27日には終わっていて、私は正月休みに入っていた。と言ってもその年は実家に帰ることも無くそのマンションの一室で一人過ごしていた。午前中は本を読んで過ごし、そして午後になると近所のスーパーで食料品を買いに行くか、日によっては海老名駅本厚木駅まで足を延ばして、色々と日用品を買う。夜は夜で特にすることも無かったので、テレビを見て過ごしていた。

 

12月30日の夜も、同じようにテレビを見て過ごしていた。

23時頃になって、まだ風呂に入っていなかったけど少し眠くなったので簡単に仮眠を取ろうと思い、ベットに横になる。ただ、そのような時はたいてい仮眠では終わらずに、そのうたた寝で数時間を過ごすことも多々あった。

 

その夜も、ふと目を覚ますと、周りはすっかり静かになっていた。

ベットから体を引きはがし、机の上の時計を見ると深夜2時を回っている。

 

「また、うたた寝をしてしまったか・・・」

 

まだ風呂にも入っていないことを思い出し、朝に入るよりは深夜でも夜に入った方がましだろうと、風呂に湯を流し込む。

 

そして、その湯が湯船にたまるのを待っているときだった。

 

 

 

ピーン、ポーン。

 

 

 

「え?」

 

いきなり、玄関のチャイムが鳴ったのだ。

 

 

 

 

深夜2時過ぎ。

 

こんな時間に誰が来たんだ?

 

私の体は固まってしまった。

このような時間にチャイムを鳴らすということ自体に、何か狂気に似たものを感じた。そしてその狂気を持った誰かがドアを隔ててすぐそばに立っていることが、単純にとても怖かった。

 

 

 

結局、私はインターホンで外の相手に話しかけることも、ドアを開けることも無かった。

 

外の相手はまたチャイムを鳴らすだろうか。

そんな危惧もあったのだけど、しばらく待っても再びチャイムが鳴ることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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