4日(土)は朝から〇〇消化器内科で診察を受けることになっていた。
その一週間前にピロリ菌除菌治療の効果を見るための検査を受けており、その結果を聞くことになっていたのだ。
予約は朝9時5分から。
歩いて10分もかからない距離にある医院だったので、8時50分頃に家を出る。土曜日朝の街は、人通りも少なく穏やかな日差しに覆われていた。その中を一人歩いていく。
「お願いします」
医院の受付で、予約票、診察券、健康保険証を差し出す。
私の診察はそれから5分程度しか待たずに始まった。
「〇〇さん」
「はい」
「お入りください」
昨年末にピロリ菌除菌治療の説明を受けたときのように、デスクの上のパソコン画面を見ている初老の男性医師が座っていた。おそらくこの医院の院長なのだろう。昨年末も同じ医師から説明を受けていた。
昨年末に説明を受けた際は、一回目の除菌治療で除菌成功する確率は70%くらいとのことだった。それほど低い値ではないのだけど、逆に言うと30%くらいは除菌に失敗するということでもある。一回目の除菌に失敗すると、二回目の除菌治療としてまた1週間薬を飲む必要があると聞いていた。それはそれで面倒なので、何とか一回目の治療で終わって欲しいという思いが自分の中にはあった。
「先週受けていただいた検査の結果が出ています」
医師は私の前に一枚のプリントを差し出した。
プリントには二つの数字が〇で囲われている。
「基準値は0.0から2.4なのですが、検査結果は0.5でした。なので、ピロリ菌は除菌されています」
除菌は成功したとのことだった。
「ピロリ菌は一度除菌されると再び感染するということはありません。あと、毎年胃カメラ検査は受けていますか?」
「はい」
「除菌できても、それまでの胃炎から胃がんになることもあるので、できるだけ毎年胃カメラ検査は受けておいた方がいいでしょう」
「分かりました」
そのような簡単な会話だけで、今回の診察は終了した。
診察室を出て、診察料として千円を支払ってから医院の外に出る。
良かった・・・。
一回目の治療で除菌できたことが嬉しかった。
それと同時に、数年前の健康診断で「ピロリ菌感染」の診断を受けてからずっと頭の片隅にあった大きな懸案事項がやっと解決してくれたことも、それ以上に嬉しかった。