知識蓄積ノート【投資・FIRE】

日々得られる知識、洞察をひたすら蓄積するブログ

子供の頃の思い出(3)

 

 

高校に進学してから、私はクラスメートの誰とも会話をすることもなく数か月が経って行った。

 

 

 

「このままではまずい」

そのような焦りはつねに自分の心の奥底では渦巻いていたのだけど、私にはどうすればいいのか全く分からなかった。

 

別に授業を受ける分には、クラスメートと会話をする必要も無いのでただ黙って先生の話を聞いて、黒板の文字をひたすらノートに書き写していれば時間は過ぎていってくれた。昼休みは自分の机で一人弁当を食べ、そして時間を持て余して図書室に行ったりもしていた。

 

そのような時間を過ごしていくうちに、私のクラスのグループは、私を除いたところでますます堅固なものとなっていき、もはや私一人の力ではもうどうすることもできないところまで来てしまっていた。

 

 

 

私が通っていた高校では、修学旅行と言うものは無かった。

ただ、それに代わるものとして、夏は夏山に登山するために3~4日程度のキャンプに行き、そして冬は冬山にスキーするために5~6日程度のキャンプに行くというものがあった。中学生時代も同じ様なキャンプは存在しており、それが中高一貫校ということで、高校でも同じ様なキャンプがあったのだ。

 

そのキャンプに行くにあたって、クラスでは班分けをする必要があった。

そしてその班分けは自動的に名簿順で決まるというようなものではなく、仲の良いもの同士で好きに班決めをしていいことになっていた。

 

中学時代はその班決めも、私を班に誘ってくれる人たちがいたので特に苦も無く私はいずれかの班に入ることが出来た。だけど、高校時代はもはや私を班に誘ってくれる人は一人もいなかった。かといって、私から「〇〇班に入れてほしい」ということもできなかった。そのようなことができていれば、そもそもクラスの中で一人あぶれるような存在になることも無かった。何とかしたかったけど、どうしようもできない。そのような状況にそのときの私はいたのだ。

 

 

 

当然ながら、私は最後まで班が決まらずに残ることになった。

そして、最後人数が足りていない班に強制的に加わることになった。その班の人たちは、

「こいつ(私)と同じ班なのかよ・・・」

と言葉にすることは無かったのだけど、その表情にはありありとそのような文句が刻み込まれていた。

私は無表情のまま、最後私が付け加えられた班のメンバーを見ることしかできなかった。

 

 

 

そのような状況だったから、夏も冬も私にとってそのキャンプは地獄以外の何物でもなかった。

 

その日が近づいてくるにつれて、どんどん心の中を真っ黒い闇が覆いつくしてくるような感じだった。もしこのキャンプに行かないで済むのなら、私が怪我や病気になっても構わない。あるいは、世界が消滅したって構わない。

 

 

「今ここで、世界が消滅してくれないかな・・・」

 

心の中で、本気でそう願ったりしていた。

 

 

 

 

 

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