株価チャート
直近の高値3,400円に対しては2,800円まで調整中。
この1か月くらいで 約18%の下落。
ただし週足で見るとまだまだ高値圏なので、調整幅(下落幅)はまだ残っているように見える。底値としては2,000~2,500円あたりが一つの目安かな。
日足チャート
週足チャート
22年3月期 通期決算
売上高、営業利益
- 収益:46.8%増
- 税引前利益:158.7%増
大幅な増収増益。
税引前利益に関しては1兆円の大台に乗っている。
三菱商事が1.3兆円の税引前利益なのでそこにはやや見劣ってしまうけど、それでもこの水準の利益は中々目にしない。
配当
- 配当金:120円
- 株価(7/10):2,851.5円
- 配当利回り:4.2%
- 配当性向:24%
ここのところの株価下落によって配当利回りは4.2%まで上昇。
配当性向も24%と低いので配当原資は問題なし。懸念は、今の利益水準をどれだけ継続できるかということ。
会社方針としては、基礎営業キャッシュ・フローに対する総還元性向を目標として設定している。
21年3月期からの目標は33%。
つまり、23年3月の計画では9,500億円の基礎営業キャッシュ・フローを見込んでいるので、株主還元の総額は 3,100億円 程度が想定されるということになる。
損益計算書
- 20年度:8,114億円
- 21年度:11,413億円
販売費および一般管理費
- 20年度:6,064億円
- 21年度:5,963億円
持分法による投資損益
- 20年度:2,279億円
- 21年度:4,312億円
売上総利益が21年度は前年度より 約3,000億円増加。
それにもかかわらず販管費はやや減少と抑えられている。つまり本業での利益率が大きく上げられている。
その中で持分法による投資損益も 約2,000億円の増加。
この複合的な効果による大幅な増益結果ということなのだろう。
セグメント情報
- 金属資源:4,976億円(前期比:+3,177億円)
- エネルギー:1,140億円(前期比:+868億円)
- 機械・インフラ:1,208億円(前期比:749億円)
金属資源、エネルギーが大幅の増益。
基本的には金属資源価格、エネルギー価格上昇による恩恵が大きそう。
金属資源の増益幅は確かに突出しているけど、それでも他のセグメント(機械・インフラ等)もしっかりと利益をあげられている。
ここのところが、以前の商社の利益分布とは違うところかな。
収益源の分散化が進んでいる。それによって資源価格の上下変動の影響を受けにくい収益構造とすることが出来ている。
サハリン2
7月の始め、サハリン2の事業から日本が排除されるというニュースが飛び込んできた。同事業に参画しているのは三井物産と三菱商事。
サハリン2は、日本の液化天然ガス(LNG)輸入量の約1割を占めるという。
このニュースを受けて、三井物産の株価も大幅下落。
もしサハリン2の事業から締め出されてしまったら、21年度に1,140億円の利益をあげているエネルギーセグメントへの影響も避けられない。ただし、収益の分散化が図られてきてはいるので、その影響も限定的にはなりそう。
サハリン2、日本排除も
ロシア、エネ安保で揺さぶり LNG輸入の1割消失危機
2022/07/02 日本経済新聞
ロシアのプーチン大統領が極東の資源開発事業「サハリン2」の運営を新会社に移管するよう命じる大統領令に署名した。同事業に参画する三井物産と三菱商事はロシア側の条件をのまないと株主として残れない事態に発展した。
まとめ
大幅な増収増益を達成。
22年度はこの水準には及ばないけど、同規模の収益、利益をあげられるという会社業績予測にはなっている。
ただし、今のサハリン2の不透明感がある中でそれがどこまで実現できるのか。それに金属資源価格も下がってきているはず。
今の水準からさらに株価がさらに切り下がってくれば買い検討をしてもいいのだけど、現時点では様子見。