株価チャート
22年3月にウクライナ情勢を受けて一度大きく売られたが、また2,200円あたりに株価は戻ってきている。
ただし、この水準から上値を狙うような動きは中々見られない。
日足チャート
週足チャート
22年3月期 通期決算
売上高、営業利益
- 売上高:6,827億円(+41.9%)
- 税引前利益:-2,466億円
売上高は前年度よりも40%増。
確かに売り上げ、利益ともに前年度比較では大きく改善しているようだけど、それでも2,400億円という巨額の赤字を計上しているのも事実。
四季報予想が2,380億円の赤字だったので、それよりも実際は下回っているのも少し気になる。
しかもライバル会社の ANAの方が赤字幅が小さい。
(ANAの営業利益は1,731億円の赤字)
配当
23年3月期の会社予想はまだ未定。
一応は23年3月期までに復配を目指しているとのこと。
どうなることやら。
配当方針および2022年3月期の配当金について
2023年3月期については、新型コロナウイルス感染拡大の影響から国際旅客需要の回復にはまだ相応の時間を要するものの、国内旅客需要については力強い回復が見通せる状況になっております。地政学リスクの顕在化や原油市況 の高騰等のリスクへの警戒は必要なものの、今後大きなイベントリスクが発生しない限り業績の回復とキャッシュ・フロー創出力の改善の目途が立ってきたことから、 2023年3月期末までに復配を目指すことといたします。
なお、中間および期末配当予想については、今後の経営環境の変化を見極めつつ、業績回復の進捗状況をより確実に見通すことができる段階でお示しすることといたします。
バランス・シート
この会社においても、自己資本比率が急激に低下している。
ただ、それでもまだ現状で33.7%は維持。
ANAの自己資本比率は21年度末の状態で24.8%なので、財務健全性としてはJALの方がANAよりは上かな。
以前に経営破たんして債権放棄してもらった恩恵が、ここにきて効いてきている。
キャッシュフロー計算書
フリーキャッシュフローは2,700億円のマイナス。
それに対して財務活動によるキャッシュフローは3,600億円のプラスなので、営業、投資に伴うキャッシュ流出を財務(借入)によるキャッシュで何とか賄っている状態。
- 長期借り入れによる収入:2,454億円
- 社債発行による収入:1,884億円
2022年度予想(会社予想)
会社予想としては売り上げは13,900億円まで倍増して、純利益も450億円の黒字を確保するとのこと。
その前提として国際旅客は45%程度まで回復し、国内旅客は90%程度まで回復するとしている。どう考えてもこの予想は楽観的すぎるように感じるのは私だけ?
まとめ
22年度の会社予想は黒字予想なのだけど、その前提条件として国際旅客、国内旅客が大きく伸びるというもの。この達成については少し疑問を感じる。
ただし、株価チャート的には今の水準が底値のようにも見える。
しかも、一度JALが経営破綻した際に国が救済に動いたように、重要なインフラを担っているこの会社を国が簡単につぶすとも思えない。
この銘柄は優待狙いなので買い増し自体は現時点では考えていないけど、大きく下げるようであれば今後のために買い増してみるのもありかもしれない(ただし、購入額は限定し、追加の優待が獲得できる範囲とする)。