某動画配信サイトで「ザ・コンサルタント」という映画を視聴した。
ザ・コンサルタント
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフに舞い込んだ、大企業からの財務調査依頼。彼は重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に打ち切られる。その日から、何者かに命を狙われるウルフ。実は彼は、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあったのだ・・・。
年収10億円、天才的頭脳を持ち、最強のファイターでもあり、命中率100%のスナイパー。本籍・本名・私生活、そのすべてが謎に包まれた会計士が、アメリカ政府、マフィア、一流企業に追われてまで危険な仕事に手を出す本当の理由とは?
ベン・アフレック主演の普通のアクション映画かと思って見始めたが、一味違った出来になっている。
主人公のクリスチャン・ウルフは自閉症を患っており、少年の頃に、両親と弟と一緒に某施設を訪れるシーンから映画は始まる。
その施設は、自閉症である自分の娘が自閉症でも自分らしく生きられるようにとその父親が開設した施設だった。自閉症の子供たちを受け入れ、共同生活をしていた。
だけど、主人公の父親はその施設に自分の息子を入れることを拒絶する。
自身は軍人であり、
「息子は、一人でも社会で生きられるようになるべきだ」
という信念を持っていた。自分の息子には生きるための強さが必要だと信じていた。
父親は自閉症の息子を引き取り、息子が強く生きられるようにと格闘技を教える。
そしてシーンは現代に戻る。
自閉症特有の「一つのことに集中して取り組むこと」を活かした主人公は、財務に関して天才的な才能を発揮し、また自身の格闘技技術を活かして裏社会の帳簿係の仕事をしていた。
この物語のエピローグの形で、「自閉症の子供を受け入れている施設」の現在の様子のシーンが流れる。
その施設を開設した男は、自閉症の子供を抱えて相談に来た親子に次のような言葉を投げかけて、物語は終わる。
この国では68人に1人が自閉症と診断される
だが小児科やNT(健常者)の言うことは忘れて
もし
我々が診断に使うテストが間違っていたら?
息子さんは劣っていない
人と違うだけです
親御さんがどう期待するかで将来は変わる
世間と同じように最初から諦めたら
何も変わらない
お子さんには高い能力があるのに
それを
伝える術を知らないだけかも
我々が
効く力を持たないだけかも
アクション映画のはずなのに、観終わった後はまるで「ヒューマンドラマ」を見ていたような不思議な感覚に襲われた。
自分が普通の人と違っているところ。
それを「欠点」と捉えるか、あるいは「特長」と捉えるか。
それによって生き方は大きく変わるはず。
私は、それを「特長」と捉えたいといつも思っていたし、普通の人と違う「何か」を活かして自分なりの人生を作りあげたいと願っていた。