かなり以前に「ビジョナリー・カンパニー」という本を読んだ。
その本は色々と示唆に富んだ内容だったのだけど、その中の次の一節が今でも頭に刻み込まれている。
第9章 決して満足しない
J・ウィラード・マリオット・シニアが成功の秘訣を振り返って、こう語っている。
世の中でいちばん大切なものは、自己を律することである。
自己を律することがなければ、人格は形成されない。
人格が形成されなければ、進歩は無い。・・・逆境は成長への機会になる。
そして、なんのために働くのかで、成果は変わってくる。
それを克服できれば、人格が養われ、成功をもたらす質を獲得できる。
これは、私がこれまで生きてきた自分の人生を振り返ってみても、一つの真理のように感じた。
私の人生において意味のある充実した日々を過ごせていた時期と、無為に鬱のように過ごしていた時期とを比較すると、明確に「自分を律することが出来ていたか、いなかったか」という分離があった。充実した日々を過ごしていた時の自分は、明確に自分を律してその一日の中で精一杯努力して過ごすことが出来ていた。
そのような生き方を理想としてきたはずなのに、そのような生き方ができていた時期は、私の人生においてはほんの一部分でしかなかった。
きっと、だからこそ「世の中でいちばん大切なものは、自己を律することである」と言ったのだろう。非常に重要であり、そして非常に難しい行動基準なのだから。人間は弱い生き物だから、簡単に堕落の方に進んでしまうし、簡単に現実から逃避してしまう。
でも、どうすれば人生全体において「自己を律して」生きることが出来るのだろうか。
おそらく、それは心構えの問題であり、具体的な技術の問題なんだ。
まずは当然、自分に対して「自分を律する」という決断をさせる必要がある。そしてその決断に対して、具体的な方法でサポートする。例えば、「一日の始めにその日の目標を書き出し、それを実行するためのスケジュールを組む。あとは、それを一つ一つ実行して項目を消していく」など。
そして何よりも大切なのは、「自分を律する」という一日一日を積み重ねていくこと。その積み重ねが一つの事実となり、自信となるはず。
という訳で、頑張って今日という一日を自分を律して過ごしてみよう。