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㉑セミリタイアについての基本的な考え方:メーカー中途採用への応募(B社最終選考会の結果)

 

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6月28日(木)

 
 
B社最終選考会が実施されたのが2018年6月27日(水)の朝。
 
その日は勤めていた会社を休んでいたので、面接が終わってそのあとの午後は家に帰って何をすることもなくぼんやりと過ごしていた。
その面接自体は特に失敗したという感触は無かったのだけど、「私のような人間が日本を代表するメーカーの一つであるB社に、しかも中途採用で入れるわけがない」と強く思い込んでいたので、今回も他の会社と同じように不合格の連絡が来るんだろうな、次はどこの会社に応募しようかな、と考えたりしていた。
 
かといって、6/19、6/27と二回の面接を終えた後の私はひどく気疲れしていて、その日は次の中途採用応募の動きは特に取らなかった。
 
 
 
6月28日(木)は普通に会社に出社した。
 
その当時、開発していた新製品のユニットリーダーをやっていて、しかもその製品で担当を受け持っていた製品機能評価の進捗が芳しくなくて連日のように夜遅くまで残業していた。その当時はユニットリーダーながらその製品機能評価を実際に私自身が行うような状況だった。その機能評価は準備も、そして評価自体も非常に手間がかかり一回の評価に2時間以上もかかるようなものだった。
 
 
 
その評価の途中、周りに誰もいない実験室の片隅で試作機を目の前にして、
 
自分は、こんなところで何をしているんだろう?
自分がしたかったのはこんなことだっけ?
 
そんな疑問に毎回のように襲われていた。
そしてその問いかけを何度も自分に投げかけても、自分の中に答えを見つけ出すことが出来なかった。
 
少なくともその勤めている会社の中には答えは無かった。だから転職しようと思ったのだ。
 
転職したとしても同じことを同じように繰り返すだけという思いも根強くあったのだけど、でも転職するという行動をとること自体が重要なのだと信じた。何も行動せずに現状を甘んじるだけでは何も変えられない。結果がどうなるかは分からないけど、「転職」という行動をとれば何かが変わるはず。そんな可能性をどこかでは信じていた。
 
 
 

6月29日(金)

 
 
29日も当然、いつものように会社に出社した。
そして精神的な疲弊感を少しも回復することが出来ないまま、前日の評価の続きをしていた。
 
そんなときだった。私のスマホに一通のメールが届いた。
 
 
 
 
2018/06/29 9:24
 
〇〇株式会社 キャリア採用担当の〇〇と申します。
この度は弊社の採用選考にご応募、ご参加いただき
ありがとうございます。
 
この度の選考結果をお知らせしたく、本日、〇〇様のご対応
可能な時間をお知らせいただくか、直接お電話をいただきたく
お願いいたします。
 キャリア採用 直通番号 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇
 
※18時以降をご希望とのこと、最終選考時に伺っていますが、
 昨夜はつながらなかったため、このようなメールを
 差し上げております。
 
 
昨夜、スマホに電話がかかっていたらしい。
試作機の評価中だったので全く気付かなかった。
 
まず、一次選考会と同じく、結果が出る早さに驚いた。
選考会を受けたのが27日だったので、その次の日(28日)には結果が出ていたことになる。
その結果の早さはどちらを意味しているのだろうか。
不合格だから早く出たとも思えたし、ただし一次選考会の時も結果はすぐに出たけどその時は「合格」だった。
 
 
 
その日も残業予定だったので、仕方なく私は会社からB社に電話をかけることにした。
午後6時過ぎになって、人気のない実験室の片隅に向かいてスマホを取り出す。そしてメールに書かれていた電話番号にかけた。
 
「お世話になっております。キャリア採用に応募した〇〇です」
 
「〇〇さんですね。最終選考会の結果が出たので、それをお伝えいたします」
 
「はい」
 
「結果は合格です」
 
「え?」
 
私は単純にその言葉に驚いていた。
私のような人間が中途採用試験を通過するはずがないと信じていた。一瞬、電話先の社員が言い間違えたのかと思った。
 
「合格、ですか?」
 
「はい。現場の人間はぜひ〇〇さんに来て欲しいと言っています」
 
「・・・ありがとうございます」
 
一体、あの面接の中で私の何が評価されたというのだろうか。
 
私は、私以外の誰かの結果を聞くような気持で、電話先の言葉を聞き続けていた。