知識蓄積ノート【投資・FIRE】

日々得られる知識、洞察をひたすら蓄積するブログ

自分の中に何も答えるべき材料を持ち合わせていなかった。

 
ちょうど私が就職活動をしていた頃にNHKで「プロジェクトX」というドキュメンタリー番組を放送していた。
 
この番組は、過去の何らかのプロジェクトが多くの障壁を乗り越えながらも何とか成功にたどり着く過程を、再現ドラマや関係者のインタビューをベースにして描くというものだった。その当時学生だった私はこの番組が好きでよく見ていた。特にメーカーが斬新な製品を開発するテーマを取り上げた回が好きだった。製品を市場に送り届けるまでの多くの障壁を乗り越えて何かを成し遂げる登場人物。その登場人物たちは自分の人生について満足するものとして考えていたし、どこかあこがれのような視線でもって私は見ていた。
 
 
メーカーの設計職を選択した一つの理由として、この番組は大きかったように感じる。もし、世界にインパクトを与えられるような製品を生み出すことができるのなら、それはそれでとても意味のあることのように思ったから。だから学科の推薦についてもメーカーのものを選択した。そもそも機械系の学科にはそのようなメーカーの募集がほとんどだったということもあるけど。
 
 
学校推薦に応募した企業、その東京本社で就職試験を受けた。
始めにSPIのような基礎テストを受けた後に人事部の幹部らしき人の面接を受けたのだけど、正直そのときの記憶はあまりない。おそらく当たり障りのないことを口からでまかせのようにしゃべっていたのだと思う。確かに「プロジェクトX」の影響もあってメーカーの設計開発職も悪くはないと思っていたのだけど、この企業である必然性はその時の私には無かったのだから。
 
「どうして他のメーカーではなく、弊社を選択したのですか?」
 
そのような質問が一番困った。自分の中に何も答えるべき材料を持ち合わせていなかった。
 
 

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