AmazonKindle本でセールをしていた際に、前作の「震える牛」とセットで購入した。その「震える牛」も面白かったけど、この「ガラパゴス」の方が個人的には響いた。
経済とミステリーを組み合わせるというアイデア。
その中で、現代社会の「正社員と派遣社員」という闇を描き出す。このようなアイデアの組み合わせ方は何か参考になるかもしれない。かつての作者でいうと松本清張と同じ系譜だろう。松本氏も社会派ミステリーというジャンルを確立した。
物語を作る際に、既存の要素を組み合わせてみる。
例えば科学とミステリー。社会とミステリー。そこに何かヒントは無いだろうか。
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相場英雄
警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、メモ魔の窓際刑事。同期の木幡祐司に依頼され、身元不明相談室に所蔵されている死者のリストに目を通すうち、自殺として処理された案件を他殺と看破する。不明者リスト902の男の発見現場である都内竹の塚の団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から『新城 も』『780816』と書かれたメモを発見する。田川が行った入念な聞き込みにより者不明者リスト902の男は沖縄県宮古島出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。田川は、仲野の遺骨を届け、犯人逮捕の手掛かりを得るため、宮古島に飛ぶ。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた……。
現代の生き地獄を暴露する危険きわまりない長編ミステリー!